| 第1章 結婚・出生行動の変化 第3節 子どもを持つという選択 |
血縁関係にない子どもを育てる選択として、里子や養子を受け入れる選択をしている人たちもいる。
里子の養育をする里親制度は、児童福祉法に基づき、「保護者のない児童又は保護者4に監護させることが不適当であると認められる児童(要保護児童)を養育することを希望する者であって、都道府県知事が適当と認めるもの」とされ、社会的養護の一つとしての施設養護に対し、家庭的な環境で養護する制度である。また、養子縁組は、民法に基づき、自然血縁的親子関係のない養親・養子を親子とみなし、家庭裁判所の許可によって親子関係を成立させるものである。
里親制度には二つの流れがある。一つは、養子縁組を目指し、その成立に向けて一定期間の里親・里子関係を持つもの、もう一つは養子縁組を目的とせず一定期間実親に代わって子どもを養育するものである。里親の認定を受けた人たちの動機を見ると、「児童福祉への理解」(32.3%)が高いが、その一方で「子どもを育てたいから」(33.6%)や「養子を得たいから」(29.8%)が挙げられている(厚生労働省「児童養護施設入所児童等調査結果の概要」(2003年))。里親及び里親に託されている児童数を見ると、近年は、実親による子ども虐待の問題が増加していることなどもあり、少しずつ増加している(図)。一方、里親に登録している人の数は減少傾向にある。こうした里親制度は、まだ社会的認知度が低いが、家庭での養育が受けられない子どもと、子どもを育てたいと希望している里親とのニーズを一致させる上で有益な手段となり得ると考えられる。

他方、養子縁組のうち特別養子縁組は、養親が25歳以上5の夫婦、養子は6歳未満6の子ども7が、先の里親・里子期間(6ヶ月以上)を経て成立できるものである。特別養子縁組に当たっては、養子となる子どもと実親との親子関係を終了させて養親との親子関係のみを成立させること、そして、養子縁組後の離縁は特に養子の利益のために必要と認める場合にのみ行われることとされており、養子が不利な状況に陥らないための配慮がなされている。
家庭裁判所が行った養子縁組に関する許可などの処分件数のうち、「特別養子縁組の成立及び離縁に関する処分件数」は2003年に433件、養子についての許可(未成年者を養子にする許可も含む)の件数は同1,500件となっている8(最高裁判所「司法統計年報」(2003年))。この10年間の件数は横ばいで推移しており、養子縁組による親子関係の誕生はいまだ大きな位置を占めるには至っていない。しかし、前述のとおり里親のうち養子を希望している人は3割程度に上っており、この制度が養子となる子どもの利益を守るとともに、子どもを育てていくことを望む夫婦が法的な根拠に基づく親子関係を築くことができるものとして、より一層の活用が期待される。
7 一方、普通養子縁組では、養親は養子よりも年長の成年に達している者であればよく、単身者でも可能である。普通養子の場合、養子が未成年者である場合には、家庭裁判所の許可を得ることが必要となる。ただし、自己又は配偶者の直系の血族である子、孫、ひ孫などを養子とする場合にはこの限りではない(民法第798条)。
8 ただし、特別養子縁組の成立及び離縁に関する処分件数には家庭裁判所が特別養子縁組の離縁に関する処分を行った件数を、また、養子についての許可の件数には民法794条(後見人が被後見人を養子とする場合)に基づき家庭裁判所が養子にすることの許可を行った件数もそれぞれ含んでおり、それらの件数は分離できない。
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