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第1章 結婚・出生行動の変化
第1節 最近の出生率低下の要因

晩婚化の進展もあり夫婦の出生力が低下している

次に、夫婦の産み控えをめぐる状況を見ていくこととする。第一子を出生したときの母の平均年齢の推移を見ると、80年の26.4歳から2004年には28.9歳へと、前項で見た女性の初婚年齢の上昇に伴い、着実にその年齢も高まっている(厚生労働省「人口動態統計」)。我が国では、出生する子どもの98%以上が夫婦の嫡出子であることからも、出生する子どもの数を考えるときに、結婚しているかどうかが重要な鍵を握っていると言える。

母の年齢層別の第一子出生数を見ると、20代の出生数の低下傾向が続いている一方で、30〜34歳の出生数は緩やかに増加を続けている(第1−1−11図)。なお、出産に伴うリスクが高くなると言われる高齢初産年齢(35歳以上)6である35〜39歳での出生数もわずかながら上昇傾向にあり、全体に占めるその割合は70年の1.8%から2004年には8.7%まで上昇している。こうしたことから、晩婚化が出産(初産)年齢に大きく影響していることが分かる。

 

第1−1−11図 初産件数は20代が減少し、30代が増加

また、妻の結婚年齢別で見た出産パターンによると、おおむねどの結婚年齢においても、結婚後1〜2年の間くらいに第一子を出生している(第1−1−12図)。そして、第二子、第三子の出生は、30歳未満で結婚した妻においては2〜3年間隔になっているが、それ以上で結婚した妻においては出産間隔が短くなる傾向が見られ、だいたい38歳で頭打ちとなっている。このように結婚年齢の遅れに伴って産み始めが遅れることで、出産が可能と考えられている期間が短くなっていると考えられる。

 

第1−1−12図 結婚年齢が30歳を過ぎると出産間隔は短くなる

それでは、妻の現在年齢別の平均出生数について見てみよう。2002年に43〜47歳の女性の平均出生数を48〜52歳の女性のそれと比較すると、出産時期に多少の遅れが見られるものの、40代に達した頃にはほぼ同数の子どもを産んでおり、同様の傾向は38〜42歳の女性にも見られる(第1−1−13図)。しかし、更に若い世代の女性になると、20代から30代での出生数が描くカーブが次第に低く緩やかなものとなっている。出産が可能と考えられる期間を考慮すると、ある程度の出生数の増加は期待できるものの、最終的に先行世代と同様の子ども数を持つとは考えにくい。

 

第1−1−13図 若い世代の平均出生数は低くなる見込み

こうしたことは、意識調査からも読みとれる。子どもの数が0人か1人の場合、35歳未満の妻においては子どもを産むつもりとする割合は高く、いずれも7割を超えているが、妻の年齢が35〜39歳になると、子どもがいない場合でも6割に下がり、更に40〜44歳では2割と子どもを持つ意欲は大きく低下する(第1−1−14図)。すなわち、産み控えに加え、晩婚化の影響も含めた出産の先送りは、夫婦の出生力の低下の要因ともなっている。

 

第1−1−14図 妻の年齢が高いと更に子どもを持とうとする意欲は低下する


6 例えば、厚生労働省「人口動態統計」によれば、自然死産率は、30〜34歳で11.9であるのに対して、35〜39歳で17.2、40〜44歳で28.6、45〜49歳で70.9と母親の年齢が進むにつれて大きく上昇している。


 

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