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本編 > 第1章 > 地域の防犯活動に助っ人集団、参上します(日本ガーディアン・エンジェルス)

地域の防犯活動に助っ人集団、参上します
NPO法人 日本ガーディアン・エンジェルス

 治安の悪化に対して、防犯活動に取り組むNPO法人が多くの地域で地元の人々と連携しながら、住民の安全確保に貢献している。

若者を中心に、多くのボランティアがパトロールに参加している。
活動費用は地域の商店街や企業からの寄付が多い。クレジット会社と提携して、利用額の一部が自動的に寄付される仕組みを作っている。

1. 活動開始の背景と経緯
地域の自浄力を取り戻したいとの思いがきっかけ
 都市部住民の地域に対する無関心を放置したままでは、地域の自浄力が低下し、非行や犯罪の多発につながるのではないかという危惧を抱いていた一人の青年が、1995年の阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件をきっかけに96年に日本ガーディアン・エンジェルス(日本GA)を設立し、99年にNPO法人格を取得した。

防犯活動の大事さを理解してもらう努力を重ね、住民自身が取り組む活動へと育てる
 日本GAの目的は、地域の治安が悪化することの予防だが、予防活動の重要性を地域住民に理解してもらうため、地方公共団体の広報誌に活動内容を掲載してもらったり、街のイベントに参加するなどの積極的な広報活動を行った。また、役所や警察、消防団、自治会・町内会に、活動内容を理解してもらえるよう説明に赴いた。そうした成果によって、現在活動を行っている21地域のうち19地域で住民からの要請によって取り組まれるものとなった。

落書き消し活動を行う隊員
落書き消し活動を行う隊員


2. 活動の内容
幅広い犯罪の予防活動を地域の団体と手を組んで実施
 地域の多種多様な団体や組織(役所、消防、警察、防犯協会などの各種民間団体、町内会・自治会、青年会、商店街など)と協力・連携しながら、安全パトロール、安全診断や、地域の安全マップ作り、安全セミナー、インターネット安全教室、落書き消し、イベント警備サポート、護身術研修、犯罪被害相談、犯罪情報ボランティアコール「ダイヤルV」や講演などの活動を行っている。

地方公共団体との協働も始まる
 埼玉県は2004年度からJR大宮駅周辺に日本GAの活動拠点となる施設を借り上げて提供するほか、警察や自治会との連絡調整などでも協力する。これを受けて、日本GAは埼玉県南部の繁華街において防犯パトロール、少年少女への声掛け、泥酔者の救護などを行う。

○安全パトロールについて(全国複数箇所)
〜地域住民との連携〜
 地域住民と合同パトロールを積極的に実施している。地方公共団体や町内会、商店街、奉仕団体などと幅広く連携しており、パトロールを通して様々なノウハウやスキルを地域住民や組織に提供している。
○インターネット安全教室(全国複数箇所)について 〜学校や企業との連携〜
 ネット社会における安全なインターネットの活用方法を子どもが体験しながら学ぶことを目的に、企業と協力して、学校に赴いて、小学生(中高学年)とその保護者を対象に「インターネット安全教室」を開催している。企業ではグループ社員から募集した講師ボランティアを「サイバースターズ」として組織化している。
○落書き消し(堺市)について 〜学区内の様々な主体との連携〜
 堺市の月州中学校区青少年健全育成協議会が中心となった、鉄道高架下の公道の壁面の落書き消しでは、月州中学校生徒、教諭・PTAなど地域団体、大阪府塗装工業協同組合、大阪府警本部・市職員などと日本GAが連携して合計120名で取り組まれた。技術的な指導、塗装の選択などにおいて、大阪府塗装工業協同組合の支援を受けた。

 
3. 運営の状況
300名の会員がボランティアでパトロールに参加
 現在、20代を中心に300名の会員(学生3割、社会人7割)がパトロールにボランティアで参加するなど、活動に協力している。スタッフの確保や育成が重要であるとの認識から、再び活動してみたいと思わせるような魅力的なプログラムを提供しようと、研修内容について様々な工夫がなされている。

活動への理解が支援や活動の場を増やす、継続的な寄付を得るために工夫
 活動内容が地域住民の口コミによって広く認知されるにつれ、治安悪化を懸念する各地の町内会や商店街から活動範囲を広げてほしいとの依頼や、受け入れ先の地元の企業などから物品を含む寄付が集まるようになった。現在、本部事務局の入っている部屋も、活動に理解を示してくれる地域の商店街の一事業者から借り受けている。
 寄付をしてくれる企業などに対しては、ダイレクトメールやニュースレター、ホームページなどで常に情報を提供し、寄付が継続的なものになるよう工夫している10。このほか、信販会社と提携し、クレジットカード利用額の0.5%が(利用者の負担なしで)日本GAに寄付される社会貢献カードという仕組みも作っている(カード会員は現在300名程度)。

活動の説明と各地での地域との協力で信頼を築く
 日本GAの活動内容をレポートやニュースレター、ホームページなどで公開しているほか、マスコミに情報提供を行ったり、実際に説明に出向いたり見学を受け入れている。現在、日本GAには複数の支部があるが、それぞれの支部ごとに防犯や安全のために活動しようとする地域の様々な組織と協力・連携関係をしていくための活動にも取り組んでいく。

4. 成 果
地域の不安感の低減と自主的な防犯活動に対する意識の高まり
 ある地域の犯罪率の低下に日本GAの活動がどの程度寄与したかという定量的な評価はできないものの、地域に日本GAが存在して活動をしていることにより、地域の防犯や市民の不安感の軽減に役立っている。また、日本GAの活動がきっかけとなって、地域住民も自分自身が当事者になって活動すれば何かが変わるという意識を持つようになってきている。


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