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第3章 デフレ下で変わる若年の家庭生活

未婚化、晩婚化の要因

結婚についての利害得失を比較すると、以下のようなことが、未婚化、晩婚化の要因となっているのではないかと考えられる。

1)自由に使えるお金が減ってしまう。

結婚して女性が専業主婦になる場合には、男性の収入がかなり高くなければ、生活水準は低下する。したがって、結婚してもゆとりある生活を送るためには、男性の収入の水準が条件の1つになる。パート・アルバイトが増えているが、パート・アルバイトは経済的基盤が弱いために、結婚しても家計を支えることができず、結婚しない、あるいはできない人が多い。また、経済基盤が弱い人は、親と同居している人が多いが、親同居未婚者は基礎的生活コストを親に支援してもらっているケースが多く、結婚すると自由に使えるお金が減少するため(第1節参照)、結婚しなくなってしまう。

2)やりたいことが制約される。

結婚して共働きをする場合には、世帯の収入が増加するので生活水準の維持・向上が見込める点がメリットであるが、家庭生活の面では、家事や育児に関して女性に過重な負担がかかるという実態がある。そのため、女性は家庭に束縛されて自由を奪われたくないという意識が強くなっている。特に、親と同居している未婚女性は、結婚するとこれまで親にまかせていた家事を引き受けることになるので、より負担感が強い。

3)結婚しなくても気楽に暮らせるようになり、結婚へのインセンティブが低下した。

親との同居や家事の外部化(例えば、外食をしたり、すでに調理された食料品を買ったり、クリーニングに出すこと)によって、結婚しなくても不自由を感じなくなっている。また、「結婚して一人前」というような親や周囲からの結婚に対する圧力が弱まっており、独身でいても仕事などで不都合を感じることはなくなっている。結婚の理由を聞くと、結婚しないと「世間体が悪い」、結婚して「親を安心させたい」と答える人は少ない(前掲付表3−2−2)。

以下では、こうした未婚化、晩婚化の要因の背景にあると考えられる親同居未婚者や働く女性の結婚に対する意識について検証する。



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