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与謝野内閣府特命担当大臣 記者会見要旨 平成18年8月8日

(平成18年8月8日(火) 18:00~18:45 於:金融庁会見室)

1.発言要旨

月例経済報告等に関する関係閣僚会議が開催されましたので、その概要を私から報告をさせていただきます。

お手元の資料のとおり、「景気は、回復している。」と、先月から判断は変更しておりません。

今月の特徴としては、鉱工業生産については前月比1.9%増となっておりまして、全体として緩やかな増加が続いております。雇用情勢については、失業率は4.0%から4.2%に上昇をしましたけれども、依然として低下傾向が続いており、有効求人倍率も1.08に上昇するなど、雇用情勢は引き続き改善が広がっていると考えております。

一方で、心配なのは、やはり原油価格の動向等でございまして、これについては私どもは注意をしていかなければならないと考えております。先行きにつきましては、企業部門の好調さが家計部門に波及しつつあり、国内の民間需要に支えられた景気回復が続くと見込まれております。

なお、日銀は「景気は拡大している」という表現を使っておりますが、日銀の考え方と内閣府の考え方は、全く相違はないということでございます。

なお、総理からは、「回復した」という表現と「回復している」という表現は、何か違いがあるのかというお話がございました。それにつきましては、最後に私からは、私自身としては、デフレからはもう既に脱却していると考えていますけれども、内閣府のマクロ経済の専門家の意見は、なお慎重に物事を判断していくということですので、現在の表現を使っています、ということを申し上げました。

以上です。

2.質疑応答

(問)最後にデフレの考え方を仰ったと思うのですが、先月から文言としては変わりませんが、大臣の中で少し変わった点が感じられたのであれば、ちょっと解説していただけますでしょうか。
(答)これは、もともと何度も御説明しているわけですけれども、経済が縮小均衡に陥るような、いわゆる古典的な意味でのデフレという意味では、もう既にその危険性は去ったと私は認識をしております。ただし、マクロ経済をやっておられる専門家の方々は、GDPデフレーターあるいは原油、野菜等を除いた物価水準を気にされております。やはりCPIについては、そういう裸のCPIが逆戻りしないということを、もうしばらく確認をしたいというのが専門家の意見でございますので、それを尊重しながら表現ぶりに注意しているわけでございます。
(問)今日の、例えば景気ウォッチャー調査では、やはり原油高とか天候不順の影響で消費に停滞感が見られるという結果も出ていますけれども、個人消費が長期にわたって停滞が続くのかという点については、いかがでしょうか。
(答)天候不順であったために、例えば夏物の衣料やエアコン等は不振であったことは事実でございます。また、旅行等のレジャー部門の支出も増えなかったということでございます。いずれもこれは天候による一時的な要因でございまして、やはり全体の消費動向としては、プラスの方向に動いているのではないかと判断しております。
やはり景気ウォッチャーの方々は、いわゆる物価水準について、野菜や石油製品を除くということは考えず、街中での物価水準、消費の動向というものを見ておられるわけですから、統計よりはやや慎重に物事を判断されているものと私は思っております。
(問)閣僚会議の方で、いろいろ話題になっていると思いますが、今回、地価の問題で路線価が上がったことをどう見るかという議論なり説明があったというように聞いており、その点については大臣御自身「地元を見ているとバブルだ」というように何度かお話しされていましたけれども、地価の問題についての評価や意見は何か出たでしょうか。
(答)今日は、国土交通大臣から、地価について資料を提出した上での御発言がありました。全体としては、今の水準が相当昔の水準に戻っているということを仰っており、昭和40年後半、49年頃と比べますと、住宅地では倍ぐらいになっているけれども、バブル以前の水準であり、商業地ではそこまで回復していないが、やはりバブル以前の水準だと。ただし、幾つかの事例では極めて高値で取引が行われているということを仰っていました。その3つのケースは私の選挙区、1つのケースは地方都市で、公示価格あるいは路線価の4倍で取引されたケースもありますが、大体1.1倍から1.5倍ぐらいの間という価格の取引が全体としては多いのではないかという御説明でした。
しかしながら、国交大臣は、そういうことが起きているのは稀なケースであるけれども、やはり地価の動向には注意をしなければならないということでした。千葉県の浦安近辺でおそらく市の土地ではないかと思うのですが、払下げで競争入札でやったところ、落札価格が210億円、面積が4万4,000平米ということで、これは予定価格の2.43倍になったそうです。700世帯の19階建てマンションを建てるということだけれども、こういう大変高値のケースも出てきたというのは、やはり少し注意しておかなくてはいけないのだろうというお話がございました。
(問)一部であれ、そういう高値が出てきたことを注意するというのは、政策的にも何か検討が必要だということですか。
(答)地価が、例外的なケースは別にして、今後全体としてそういう傾向を示すのでしたら、何か考えなきゃいけないということを最後にちらっと仰っていました。
(問)さっきの繰り返しになりますけれども、物価下落についてですが、内閣府の専門家は、デフレーターとかをベースに話をしていて、他方、大臣は、大臣の仰った意味でのデフレについては既に脱却しているというように捉えているようですが。
(答)前から何度もここで申し上げているのですけれども、経済の縮小をもたらす、いわゆるデフレスパイラルという意味で使ったデフレというのは、もう既に脱却しているのは明らかであり、ただ、物価動向はどうなのかということを気にされているわけです。0.6%、裸にしても0.2%という数字が出ていますので、デフレ、デフレと言っているうちに、気がついたらインフレになっていた、国民の許容範囲を超えた物価上昇率になったというのも、これまた困る話で、やはりそういうところは客観的かつ冷静に判断をしていく必要があると思っています。
(問)例えば意味があるかどうかは別として、デフレ脱却宣言というものが仮にあるとすれば、やはり専門家の考えを尊重しなければならないというように理解してよろしいのでしょうか。
(答)政治家は「エイヤー」とやりたいわけですけれども、やはりマクロ経済を論ずる時には、やはりマクロ経済の専門家の意見を最大限に尊重する必要はあるのだろうと私は思っています。
(問)7月の月例の会見の時に、冒頭、まだデフレから脱却しているとは考えていないという趣旨のことを確か報告されたかと思うんですが、今日は「私自身はデフレから脱却したと考えている」と仰ったのは、何かこの1カ月間に違いが生じたのでは......。
(答)もともと、そういうように考えていたのですけれども、遠慮しながらものを言っていたということです。
(問)総理からデフレについて何か発言はなかったのでしょうか。
(答)ございません。
(問)専門家の目で見て大丈夫だと判断するには、今度の11日の四半期別GDP速報と、25日のCPIの2つを見てということでよろしいのでしょうか。
(答)ですから、デフレ経済であれば上場企業はこんな好決算ではないはずですし、失業率が改善していくということもないですし、またGDPギャップが解消して、むしろ需要超過に陥るのではないかという心配もしません。物価だけに限ってデフレと言うのはいいのですけれども、経済全体がデフレかと言えば、そういうことではありません。
(問)伺っていますと、何か事実上のデフレ脱却宣言をなさったようにも聞こえるのですけれども......。
(答)宣言はしていないのです。ただ、客観的な数字を皆さんによく見ていただいて、それぞれ御自身で御判断いただければと思っています。今日は後ろに「正常化への動き」という資料が2ページ付いていますから、高橋統括官の労作ですので、熟読玩味していただいて、記事を書いていただきたいと思います。
(問)ちょうど、この「正常化の動き」の資料に関わるのですけれども、日本経済を正常化させてきた一つの要因として、不良債権処理や民間のリストラなど一連のものがあったと思うのですが、日本経済の回復局面に対する産業再生機構の貢献度について、大臣はどのようなお考えでしょうか。
(答)産業再生機構が果たした役割は、極めて大きかったと。いわば駆け込み寺的な要素もあって、企業が再建しようとする場合、債権放棄の比率などが銀行あるいはお金を貸している債権者間でなかなかまとまらない時に、極めて短時間でみんなが受け入れる案を作って、それをきっかけに再生が始まったわけです。なお再生機構は41件扱っているそうです。
再生機構の人たちもなかなかしっかりしていて、私は再生機構というのは、相当自分たちで損するのかなと思いましたら、大体が損はしないでやってきたと思います。この間、初めて7億円損したというケースがあったのですが、それはもう例外中の例外でして、再生機構の人たちは、上手に債権の整理をし、企業再生の道を開いたと。また、その後の資本構成等につきましても、極めて多大な貢献をしたと私は思っております。
また、再生機構でやったことをモデルにして、いろいろ皆さんやっておられるので、一つのリーディングケースを作ったという意味では、大変貢献があったと私は思っています。
(問)小泉政権の間で、ずっと景気回復が続いているわけなのですが、ここまで景気回復してきた最大の要因について、外需であるという人もいるし、企業のリストラという人もいるし、日銀の超低金利政策という人もいると思うのですが、大臣はどのように考えていらっしゃいますか。
(答)まず、やはり小泉総理の哲学とも言うべき、安易な財政出動をしないということ。これは財政の面からも非常に大きなことだったと思いますし、また回復させるために安易な手法をとらないという厳しい姿勢が、民間の覚醒を促したと、私は思っております。これは、小泉内閣以前は、景気が悪くなると、循環的な不況だと認識をして、景気の呼び水としての財政出動をやりました。それをやはり、苦しいながらも断ち切ったというのは、小泉内閣の私は最大の功績だったと思っております。
 もちろん、そういう社会的な雰囲気を作り出して、その中で民間の方々が民間主導で、例えば雇用、設備、借入という3つの過剰に対して必死の努力をしたということです。薬物を使わないで病気から立ち直った、それをリードしたというのが、小泉内閣の最大の、大げさに言えば歴史的な手法だったと私は思っております。

(以上)

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