(平成13年12月4日(火) 9:25〜9:39於)記者会見室)
1.発言要旨
閣議がございました。
今日は案件も少なく、その中で私の方からは、平成13年度の年次経済財政報告、いわゆる経済財政白書のご報告を申し上げました。報告の内容は、日本の経済財政の現状を分析して、諮問会議の議論をサポートする役割を担っているということ、特に今回は小泉内閣が進める構造改革に分析的な基礎づけを与えるということを意図していると、そういうことを申し上げました。
そのためにも、経済財政の構造改革が大変重要であること、そういった問題意識を踏まえて、今年度の年次経済財政報告の副題を、「改革なくして成長なし」、皆さんにとっては非常に聞き慣れたといいますか、聞き飽きたという言葉かもしれませんが、あえて構造改革の一丁目一番地的表現をこの副題にしたわけであります。そういったことのご報告を私の方から申し上げました。
閣僚懇でも、特に意見はありません。
私からの報告は以上であります。
2.質疑応答
(問)白書の件なんですが、多少ダブりますけれども、今回初めての経済財政白書ということで、今までと違った狙いと、それから中身をごらんになった感想をお聞かせください。
(答)経済白書というのは、戦後、経済企画庁がずっと出してきた経済白書のベストセラー的存在であったし、日本の経済論議の中核、もうちょっと言えば、日本の経済の実証分析の中心的な存在であったんだと思います。しかし、今年から経済企画庁がなくなって、内閣府が存在するようになりました。内閣府がこの経済白書にかわる白書をどのように出すかということは、ある意味で中央省庁再編の意味をどのように理解するかと、どのように形にするかということ、さらに今回の場合は、経済財政諮問会議を中心に構造改革を進めようとしていますから、小泉内閣の構造改革をどのように論理づけるかと、そういう意味から非常に戦略的に重要だというふうに、就任の当時から思っておりました。就任の当時から岩田統括官や谷内審議官といろいろ相談して、まず発表の時期をいつにすべきかというようなこと、もっと大きく言えば、そもそも白書のタイトルをどのようにすべきかということ、白書の中身、白書のコンセプトをどのようにするかということについて、ゼロからかなり真剣に議論して、力を入れてつくったつもりです。
時期につきましては、これまで経済白書は夏に出しておりましたけれども、これをやはり予算の議論であるとか、そういう毎年毎年の経済論議を集約する時期に合わせて出すべきであろうということで、かなり早い時期からこの時期に焦点を合わせたということであります。
タイトルも、経済白書から経済財政白書、私は経済財政担当の大臣でありますから、私のところでまとめる白書としては、当然経済財政白書という名前をつけたいというふうにも思って、関係省庁といろいろ議論を進めてきたところであります。
中身に関しては、したがって、今回特に構造改革の理論づけというようなものをやるということに重点を置きましたし、そのサブタイトルも「改革なくして成長なし」と、何回も何回も繰り返されてきた言葉をあえて使うというふうに決断しました。恐らく10年たって、第1号の経済財政白書を振り返ったときに、この時代はああいう時代だったんだなというふうに、じっくりと思い出せるような言葉ということで、この「改革なくして成長なし」ということにしたということであります。
したがって、今申し上げたようなことをすべて反映した白書になっていると思います。原文がいっていると思いますので、この白書の特徴は3つあるということは申し上げていると思いますが、今申し上げたプロセスからこの3つの特徴が出てきているとお考えいただければおわかりいただけると思います。
まず第1に、非常にわかりやすく、読者フレンドリーなものにしているということ。これまで経済白書というのは、どちらかというと非常にかっちりとした、しっかりとした分析というのを全面に出してきたと。もちろん、しっかりとした分析は従来以上にやるわけでありますけれども、非常に読みやすいリーダブルなものにしたつもりです。
第2番目は、経済と財政を総合的に分析するということに心がけたつもりです。
第3番目は、単なる現状描写ではなくて、より踏み込んだ政策論議を可能にするような前向きな分析、シミュレーションとか、そういうことも含めたものにしたつもりであります。
以上が狙いといいますか、経緯であります。
(問)今までの実証分析中心から政策の議論へという正確な位置づけというのがあるということでよろしいんでしょうか。
(答)いえいえ、今もう実証分析しているんですね。実証分析をしているわけですけれども、現状の描写にとどまらないで、現状の描写、分析、現状評価を踏まえて、さらにそれが政策論議に結びつくようなその基礎を与えるような、そういうものを目指しているということです。
(問)構造改革の理論づけという位置づけなんですけれども、この白書を今後諮問会議の議論にどういうふうに反映させていくのか、お聞かせください。
(答)諮問会議で議論してきた中には、諮問会議のメンバーが共通して持っている一つの経済を見る目みたいなものがあるんだと思うんですね。ちょっとオーバーに言ったら、経済を見る哲学、経済思想のようなものかもしれませんけれども、そういう目で日本の経済の現状を分析してみた結果が、白書の中に示されているということになります。
もちろんこの中には、幾つかのシミュレーションがありますから、それが即経済の論議に結びついていくようなものもあると思います。
しかし、直接的な狙いは、ここでの白書の議論がそのまま政策に、ないしは政策論議に反映されるというよりは、今の経済財政諮問会議的視点で日本の経済の現状を幅広く分析して、さらにそれが政策論議に中期的にフィードバックしてくると、そういう位置づけだと思っておりますので、そういう目で見ていただければ、10倍楽しんで見ていただけるのではないかと思います。
(問)先週ですが、諮問会議が延期されまして、与党との調整で、調整がつかなかったということなんですが、与党プロセスと諮問会議の関係について、改めてお聞かせいただけますか。
(答)これは、非常に難しい問題だと思います。我々も経済財政諮問会議が今年の1月6日にできて、初めて運用して、議院内閣制のもとにおける総理のリーダーシップの発揮、そのための内閣府の諮問会議のあり方について試行錯誤でやっている。党の方でも、これはもちろん今の内閣府、こういった行革そのものが橋本行革の成果でありますから、与党が力を入れてつくった、総理がリーダーシップを発揮できるようなシステムとしてつくっているわけでありますから、その辺の事情は与党にとっても、原則は非常に理解しているけれども、これも初めての試みであるので、議院内閣制をどのようにうまく機能していったらいいかと、これは試行錯誤で両方が努力して考えていくべき問題だと思うんですね。したがって、どちらが正しくて、どちらが間違っているという問題ではないと思います。
今回の件は、割とある意味で、私は限定されていると思いますけれども、特に当初の予定は金曜日だったんですが、木曜日の夜にまとまりました医療制度改革の表現について、それをどのように書くかについて、調整にちょっと時間が間に合わなかったということでありますから、時間が間に合わないことを無理して開くこともないというふうに考えたわけであります。これはまだ調整しまして、今日の党のプロセス等々に、今私たちもお願いしているわけでありますけれども、こういう試行錯誤を続けながら、新しい、総理がリーダーシップを発揮しやすいような議院内閣制のあり方というのを、少し形作っていかなければいけないのだと思います。それには、少し時間もかかるのかなと思います。
(問)今回の基本方針も、党の意向で若干修正されるということを伺っていますけれども、諮問会議の方針を党の了承を得ないと決定できないという状況にあるんでしょうか。
(答)基本的には、そういう関係にはないわけですね。これはあくまで内閣の仕事であります。
しかし、繰り返し言いますけれども、これは議院内閣制のもとにあるわけですから、与党と内閣が一体となって、仕事を進めるやり方をどのようにしていったらいいかということですから、これはやはりハーモナイゼーションというのは絶対に必要なんだと思うんですね。
もう一つ、今回の場合、非常にはっきりしていますけれども、別に諮問会議は方針を変えたわけではないわけですね。表現をめぐって、どのように具体的に書くかということでありますから、方針は変わっているとはもちろん全く思っておりませんし、そこは諮問会議のメンバーの皆さんも党の皆さんも、そのように認識していらっしゃるんじゃないでしょうか。
(問)1つ確認なんですけれども、予算編成の基本方針は、そうすると今日決定、諮問会議で決定した後、閣議の方に報告するという予定は変わらないんですか。
(答)可能であればそのようにしたいと、そのように運びたいというふうに思っております。
(問)12月10日にその次の諮問会議を予定されているんですけれども、議題は何なんでしょうか。
(答)基本的には、緊急対応プログラムの取りまとめを行わなければいけないわけですね。それは12月中旬とか、そのぐらいに、遅くならない時期に取りまとめを行いたいと思っておりますので、それの枠組みについて、決定はもちろん10日にはできませんけれども、その枠組みについて、話し合いを始めたいというふうに思っています。
(問)その枠組みというのは、この間の諮問会議の中で緊急対応プログラムを決めるときに、民間議員のメンバーの方とか内閣府の方から、竹中大臣の方からこういうような内容にすべきだみたいな、そういう分野的なこと、重点7分野とか、それから新しく公共事業の考え方とか、そういうのは示されていると思うんですけれども、ここで今言われている枠組みというのは、どういうふうな感じなんですか。
(答)基本的には、もう時間がありませんので、例えば改革先行プログラムのときは、冊子を取りまとめるわけですけれども、今回もそういう冊子を取りまとめなければいけませんので、その項目をどのようにするか。項目を議論するということは、その中身をある程度、枠組みを議論するということになると思うんですけれども、そういう議論を当面しなければいけないのかなと思っています。
(問)話は変わりますけれども、エンロンの破綻の影響というのは、どのように見ていますか。
(答)個別の報告、数字の話とか、詳しく私自身は検討していないんですけれども、グローバリゼーションの進行する中で、やはりあり得る一つのケースなんだと思います。しかし、特に今回の場合には、日本と直接関係があるということと、極めて大型であるということで、その影響は個別に見なければいけない。これは金融庁の方でも、それと経済産業省の方でも、それらの対応を今とっているわけですけれども、マクロ的な観点の評価というのを私たちの方で行わなければいけないんですが、まず個別の対応について、もう少し作業を詰めてもらってから、私たちにとってはそれ以降の話なのだと思います。
いずれにしても、こういうことはグローバリゼーションの中では起こり得るわけで、大変目配りが改めて必要だなというふうに思っています。
(問)閣僚懇とかでは、特に話題になっていないんですか。
(答)今日は話題になっていません。