(平成13年5月7日(月)9:27〜9:36 於)会見室)
1.発言要旨
今朝の閣議で所信表明演説の最終稿を確定しました。
ご承知のように、今日1時から衆議院、2時から参議院で、総理がその原稿を読み上げられます。
昨日は、その中身を検討するための閣議を行いました。基本的には原案どおり、これは皆さんに評価していただくものですけれども、小泉政権らしい所信表明演説ができたのではないかと思っております。
それに先立って、5月3、4、5、一泊三日の強行スケジュールでしたけれども、私自身はワシントンに行ってまいりまして、ハバード大統領経済諮問委員会の委員長、ハバードさんは大統領から指名を受けているけれども、まだ議会の承認を受けていないという段階で、こういう状況ではなかなか対外的に人に会うということに躊躇すると思うんですけれども、1時間半の時間をとって、かなりじっくりと議論することができました。
さらには、リンゼイ経済政策担当の大統領補佐官とも会談しまして、ゼーリック通商代表にお会いすることもできました。こちらから、小泉内閣の経済政策について、私なりの解釈に基づいてフランクにお話を申し上げて、それに対して、いろいろなやりとりをしました。
総じて、非常に内閣に対する高い期待が寄せられていまして、特にハバード諮問委員長は、プレイズするという言葉を使ったんです。直接訳せば賞賛すると、そういう経済的な取り組みを賞賛するという言葉を使われましたけれども、総じて、非常に高い期待、賞賛と期待が寄せられたというふうに実感しています。
アメリカ経済については、総じて、これまた彼らの見方というのは非常に強気でありまして、これは新聞なんかでも、向こうでの記者会見でも申し上げましたけれども、チェックマーク型の回復があると。V字型ではないけれども、L字型ではない、その間のチェックマーク型だというような評価があったというのが印象的でありました。
さらに、今後とも、こういう、旧経済企画庁とCEAとはずっと定期的に意見の交換を続けてきましたけれども、これを今後とも続けるということを、CEA、経済諮問委員会とは確認しました。
さらに、リンゼイ補佐官とは、お互いに電話番号を交換しまして、常に、自由に、フランクに、電話で話せるような体制にしようということになりまして、あまり用事がなくても、しょっちゅうかけようかなというふうに思っております。
私の方からは以上であります。
2.質疑応答
(問)今週の金曜日に月例経済報告を発表されますが、大体経済指標の主立ったところが出たと思うんですが、現時点での景気認識について、どのように見ていらっしゃるか。また下方修正されるのかどうかを含めて、お話しいただけますか。
(答)どういうふうな認識をするかというのは、まさにおととい帰ったばかりで、これから私がやらなければいけない一番大きな問題だと思っているので、あまり予断は持たないで、これから議論しようと思っています。
ただ、やはり何回か申し上げているように、経済は弱含んでいるということは間違いないわけで、その辺の微妙な判断をどのようにするかというのは、ちょっとここ数日の間に、これは私自身のエコノミストとしての意見を随分言わせてもらって、事務方の皆さんとフランクに協議したいと思っています。現時点では、あまり予断を持っていないということです。
(問)訪米中になると思うんですけれども、5月3日の夕方に、OECDの方からエコノミックアウトロックが出て、日本の今年と来年の成長率、かなり低めに出たわけなんですけれども、その辺について、アメリカの当局側は、多分こうだとか、そういう何らかの認識というのは示されたんですか。
(答)OECD、その前にIMFの数字等々もありますけれども、そういった数字をめぐっては、アメリカ側からは何も意見がありませんでした。
基本的には、今、小泉内閣が始まったばかりで、その方向性に物すごく注目しているということで、今回の一連の会談は、小泉内閣の経済政策が向かうべき方向性についての議論を、私なりに一生懸命説明したつもりですけれども、向こうからもそのことのご質問があったりして、その結果として、今年の経済がどうなるかということには、議論はほとんど立ちいっていません。方向性を確認して、初めて、これは前も申し上げましたけれども、骨太の方向で将来の方向が決まって、初めて今年の実績が決まるということを以前ここで申し上げたと思いますけれども、恐らくそういうような印象を先方も持っているのかなというふうに思います。
したがって、短期の話は、今回に関してはほとんどしていません。
ただ、緊急経済対策については、これは遅滞なく実施する意向であるということのような議論は一部いたしました。
(問)緊急経済対策の具体的な内容については、これからかなり詰めていかなきゃいけないと思いますけれども、アメリカ側から具体策についての要望ですとか、方法についての注文のようなことはなかったのですか。
(答)さっきの答えと同じになるんですけれども、短期的なそういう要望というのは、ほとんど先方からは出ませんでした。やはり、小泉総理というのはどういう方かとか、小泉政権というのは今までの政権とどう違うのかとか、非常に大きなところでの議論が中心であったからだと思います。
恐らく、次回彼らと会うときは、今ご質問あったような非常に細かいことを我々なりに議論して、議論を深めていかきゃいけなくなるんだろうと思います。
(問)チェックマーク型の回復ですけれども、一部報道されていますけれども、アメリカ側の論拠というんでしょうか、そのように回復していく根拠として、どういうところを挙げられていたんですか。
(答)基本的には、その判断のベースになっているのは、この間の最新のGDPが2%成長だという、そこが一番大きい論拠になっていると思います。それに関連して、一種のシリコンサイクルというか、ITのビジネスサイクルのようなものがどうなっていくだろうか、これについては誰もわからないわけですね。
前回申し上げたかもしれませんけれども、デジタルエコノミーにアメリカが取り組んでから、最初の調整期間を迎えているということで、意見は内部でももちろん分かれているんだと思うんですけれども、そのITの動向が比較的早く回復に向かうのではないだろうかという見通しを、最新のGDP2%成長というところで、割と確信しているということなのではないでしょうか。
押し上げる要因と、さらには引き下げる要因、つまり引き下げる要因もないわけじゃないですよね。例えば、今、アメリカの経済が何となく減速しないでもっているのは、消費が高いわけですよね。消費が高いということは、どういうことかというと、貯蓄率が極めて低くなっているわけで、この状況がいつまで続くか、サスティナブルかというと、そうではないという認識を持っているわけで、消費が少し落ち着いてくるといいますか、今のように高く伸びなくなってくる可能性が一方である、これがダウンの要因ですよね。一方で、シリコンサイクルは、思ったより割と早く回復するんじゃないかというプラス面がある。そのせめぎ合いだというふうに見ているようです。その中で、どちらかというと、プラスの面が少しは大きいかなというのが現時点の判断じゃないでしょうか。
(問)大臣、行かれる前は、かなり楽観派だということでおっしゃっていたんですけれども、実際に向こうに行って議論した感じというのはいかがですか。
(答)私が外から思っていた感触と非常に近い見方を、向こうの方はしておられたと思います。その意味では、アメリカの状況に関しては、大体訪米前と予想どおりであったと。日本に対する評価に関しては、予想よりもむしろ高い期待があると、それを感じて帰ってきました。