麻生経済財政担当大臣記者会見要旨

(平成13年4月4日(水)10:25〜10:49 於:内閣府講堂)


1.発言要旨

 お待たせしました。

 与党3党が取りまとめた緊急経済対策というのが3月9日に出たんですが、あれを受けまして、本日政府・与党緊急経済対策本部において、政府・与党一体となって対応策を検討して政府としての緊急経済対策について議論をいたしております。

 この緊急経済対策は、不良債権の処理に当たっては、破綻懸念先以下の既存債権については今後2年以内、新規発生の不良債権処理については発生後3年以内に具体的な目途をつける、それが基本的なところで、金融機関の不良債権と企業の過剰債務問題を一体的に解決を図ること。

 次、今から言う点はよく誤解を招くところがあって、特にフォーリンプレスに関しては頭をよく整理して聞いてください。

 今、銀行の保有する株式の自己資本に占める割合が高い、この意味よくわかっていないといかんところですので、重ねて言います。銀行が保有している株式の自己資本に占める比率が高いと。経済部の人は自己資本に株式を取り込む比率は45%、差額の45%とわかっていると思いますので、45%、こうした保有に関しては少なくとも日本の銀行において、いわゆる株式の占める比率が高い、アメリカの場合はゼロ%、ドイツにとっては数十%、国によって違うんですが、日本の場合は極めて高い。

 したがって、こうした保有の制限をしないと、少なくとも国際的に見て、日本だけその比率が高いから、株が上がったり下がったりするたびに銀行の自己資本比率が大きく影響を受けるというのは、好ましくないということが一番の問題点なんで、こうした保有を制限するということなんですが、しかし、これを制限すると、今持っている比率が高いところ、日本の場合100以上超えているところはいっぱいありますので、そういったところはそれを75まで下げろとか一挙にやると、株式市場にこの株が一挙に放出されることになる。その結果、不測の混乱を生じさせないために、一時的な株式買取制度を創設したいと。これによって、金融の安定性を高めたいと思っています。これが、いわゆるPKOの話になったり、いろいろ勝手に憶測を呼んでいますが、この点についての議論がありました。

 加えて、証券市場につきましても、小口化するとか、繰越損をどうするとかいろいろ話があるんですが、そういった証券市場の構造改革を図る、それが3つ目です。

 4つ目、都市再生本部。仮称ですけれども、これを設置して、広域循環都市プロジェクトなど、21世紀型の都市再生プロジェクトを具体的に選定するという、都市再生に関する点。

 5つ目、税制改正。税制改正については、個人投資家の市場参加の促進など、直接金融、日本の場合はご存じのように間接金融の比率が高いので、直接金融をさらに広めていかなければいかんというのはよく言われているところなんで、直接金融につきまして、株式に関して、個人金融資産というの非常に大きい、日本の場合極端に大きいわけですから、そういった金融資産というものが、いわゆる直接金融市場に入ってくることが望ましい。

 そういった意味で、金融市場の活性化、同時に経済構造改革というものを推進するなどの観点から、証券や土地に関連する税制について、課税の公平などに留意しつつ、これを早急に検討を行い結論を得る。

 同時に、6番目としてこの種の経済構造改革とか、またいろいろな不良債権の処理をやることによって、これはかなりの痛みが伴うことは覚悟せねばならん。それによって起きます、いわゆる非自発的失業者というものに対しては、セーフティネットをあらかじめ用意をしておく、少なくとも今の雇用状況で退職した場合において、それは退職金が払えない等々いろいろな問題が出てきますので、そういったものを含めて、少なくとも今の失業手当などなど、いろいろなものが今でもありますけれども、これをその期間を延長するとか、そういったようなことを含めて、雇用対策については、これは是非万全を期さねばならんということであろうと思っています。

 重ねて言いますけれども、今回の中で今申し上げた点で、最後まで結論が出ていなかったところも幾つかあります。今言ったようなことは議論をされたと申し上げたのであって、これが今結論がそこに出たと申し上げているわけではありませんから、間違いないでくださいよ。よく勝手に結論が出たようなことを書く人がいっぱいいますけれども、これはまだ結論は出てないんですからね。

 そういった意味で、今申し上げたようなことを含めて、今日明日中に結論が一応出なかったところがあります。そういったものにつきましては、明日までに結論を得て、6日の経済対策閣僚会議の場において、これは政府・与党緊急経済対策本部との合同会議となりますが、6日午前8時半に会議の予定をしておりますけれども、その会議に成案を得て、改めて発表させていただくことになります。今申し上げられる点はこれまでです。

 どうぞ。
 
 

2.質疑応答

(問)5点ほどご説明いただきましたけれども、それぞれについてどこが最終的に合意できていて、どこが議論になっているのかについて教えていただけますか。

(麻生大臣:答)3年以内、2年以内で結論。株のいわゆる買取機構につきましては、期限を、これをつくらねばならぬことはわかるけれども、これは構造改革に伴うものなので、今すぐ結論を出ていると言って、今国会中にと言われても、それはなかなか出ないと、できればいいですけれども。そういった意味で、この点につきましては、9月までというのと、今国会中というところに関してはいろいろ意見の分かれているところです。詰めます。

 都市再生本部につきましても、意見が出されておりますけれども、都市再生本部の中について、いろいろ今の予算の中で箇所付け等々でメリハリつけるというだけじゃだめというご意見が党から出されております。それに対して、大阪府とか東京都とか、そういったところでいろいろご意見が出てくるところであろうとは思いますが、その出してくる案について、具体的な案が出てくるのが先なんであって、少なくとも金をつけたから勝手にやるという話と順番が違うのでないかという等々のご意見で、ここのところもやらなければいかんということははっきりしていますけれども、案というものが出てこないといかんのではないかという点。

 雇用につきましては大したことなかったな。税制につきましては、これはいろいろまだ税制調査会とかいろいろなものがありますので、政府としてもこれが4月6日以降開始させていただきます。

 以上です。

(問)買取機構の設立につきましては時期の問題だけなんでしょうか。

(答)考え方としては、少なくとも銀行の自己資本比率に占める株式保有率が高いという点に関しましては、それは明らかに日本の場合は問題がある。高過ぎるんだから。130%とか120%とかと言うんだから。これはものすごく大事なところで、これがわかってないと意味が通じない。

 120、30%と言われている、それは高い、アメリカはゼロ。ドイツが60%程度で国によって違うんですが、そういったものを少なくとも自己資本比率以内までにおさめたい、当面。その点に関して、基本的に私どもとしては、それぐらいにおさめるということの方が、銀行の安定化につながると。

 そういった日本の高い比率を一挙に減少させるということになれば、いろいろな波及効果が出るのは当然のことなんで、こうしたことに関しては何らかの対策を出さないと、これは問題が起きるんではないかという、基本的な考え方については合意です。

(問)今国会中に設立するのは時間的に難しいということですか。

(答)詰める問題が多過ぎると思いますね、この問題に関しては。新聞の書き方にもよるけれども。PKOの二番煎じと書いたところもあったじゃない。そういったような話もあって、この種の話は極めて誤解を生みやすいので、私どもとしては、この点については構造改革の問題と緊急性を要する問題といろいろな問題がありますが、この点に関しては今国会中に、物理的な問題もあるんですけれども、これは商法の一部を改正するような話ではなく、新しい機構を1個つくるという話だけなんで、簡単にあと2カ月半でつくれという話ができる、できないという話だと思っています。

(問)政府与党内に設立そのものに消極的な意見があるということですか。

(答)違います。

(問)出資の問題とか、そこら辺の政府のかかわり方についての議論が残っている面はないですか。

(答)違います。

(問)あくまでも、そうすると技術的なタイミングの問題が大きいと理解してよろしいんですか。

(答)技術的なタイミングが一番大きいと思います。それだけじゃありませんが。

(問)確認なんですけれども、税制なんですが、これは検討するというふうに先ほどおっしゃっていましたが、考え方及び繰越型税制、土地証券等々というような、その認識といいますか、考え方としては合意ということでいいんですか。

(答)合意です。

(問)それと都市再生本部なんですが、これは案がないだけではないかというのは、それは政府側の主張ということでよろしいですか。

(答)都市の再生という面に関しては、簡単なこと言えば、都市について今内閣官房に、国土交通省等関係行政機関、地方公共団体職員、民間人からなる専属の事務局を設置するということに一応なっているんですが、事務局を設置するということは決まったんですが、それに対しまして、最初に予算ありきじゃありませんよと。簡単に言えばそういうことです。基本的にそこでつくり上げる。環状線をどうかするとか、そういったようなプロジェクトが出てこないと、そういった意味ではお金が先についちゃってという話ではなく、プロジェクトができた段階でそれについての予算ということは考えなければいかんところだと思いますけれども、最初に予算ありきではありません。

(問)それから、今日の会合の中で出ました主な意見についてご紹介願えないでしょうか。

(答)余り記憶よくないんだけれどもね、担当大臣、柳澤先生と政調会長、亀井先生との間の話が、和やかな間に意見交換が行われたという雰囲気じゃなかった。非常に意見の相違がありましたので、今国会中を主張される方と、それは今国会中と決められたら、あと2カ月半という話ですから、これは金庫株のように、一部の法律を触るんじゃなくて、丸々新しく1個法律をつくる話ですから、そういった意味ではとてもじゃありませんというご意見と、いろいろご意見が分かれましたし、これはこの種のことに関しては、保有株、株式の取得機構というものに関しては、これは財界でもご意見のあるところでもある。しかし、何とかして一挙に放出されることによって、株式市場が混乱するのは避けなければいかんということに関しては、当然のご意見なんであって、そういった点が主な論点だったと思いますので、これは今国会中か9月までにするか等々については可及的速やかというところで引き取らせていただいたというが主なところです。

(問)今後のスケジュールといいますか、どういう日程で今後の対策を詰めていかれるのか教えてください。

(答)担当者が個別に当たって詰めるということになります。全体で会議を開くことは6日までありません。

(問)株式取得機構で、損失が生じた場合に政府が保障することについては、政府の閣僚の方も合意したということでよろしいんですか。

(答)財務大臣は合意です。言っておきますけれども、それが今日の話題になったわけじゃありませんからね。

(問)財務大臣は合意ということは、ほかの大臣は。

(答)前回です。これは2回目だから。

(問)ですから、今日の段階でほかの大臣については合意されたんですか。柳澤さん、麻生さん。

(答)この問題は話題になっていません。ということは合意ということです。

 ただ、今日の話題じゃありませんよということを確認しているだけです。

(問)会議の中で総理から何か発言はございましたか。

(答)ありません。

(問)税制については、方向性とか具体的な話というのは今日はあったんでしょうか。

(答)税制については、4、5行でしか書いてないですけれども、基本的にはこういうことです。

 現下の経済情勢などを踏まえ、個人投資家の市場参加の促進など、直接金融市場の活性化、土地の流動化の促進、経済構造改革の推進に資するなどの観点から、証券、土地関連の税制にかかわる真に有効かつ適切な措置について、課税の公平などに留意しつつ早急に検討を行い結論を得ると4行でまとめてありますけれども、税制につきましては、ご存じのように政府税調、党税調いろいろやっているところでもありますので、この話を踏まえて6日から税調を開くということで、少なくとも今までのように年末にやるというんではなくて、4月に税制調査会を開くということです。

(問)不良債権の方なんですけれども、従来のものは2年以内、それから新規のものは3年以内ということなんですが、その点についてはもう政府は意見の相違はないと。

(答)そうです。

(問)例えば、中小企業に関しては緩和措置をとるべきだという意見もなかったんですか。

(答)大手16行が主な対象です。大手16行が抱えている不良債権が主な対象です。

(問)そういうんじゃなくて、企業の方ですね。中小企業が……

(答)大手16行に金が頼める中小企業というのはよほど大きな中小企業ということですね。意味わかりますか。零細企業じゃ都市銀行から金を借りているところなんかありませんよ。経済の現場に行っていれば、知っているはずだよ。しかし、大手16行と一緒に協調融資しているような中小零細銀行の中に影響が出てくるところは一部あるかもしれませんね。

(問)株の買取機構は可及的速やかにということで、今日は引き取らせてもらったということですか。それとも6日に出たらそれでおしまいということで理解してよろしいんですか。

(答)理解の仕方ですな、これは。お互いに。

(問)では、文言的にはこれで修正の余地はないという……

(答)文言的には可及的速やかで理解をしていただきたいと思っています。

(問)では、それは6日はそれでもう……

(答)6日はこれでいかせていただきたいと思っています。ただ、それに関して、うまく早くいくかもしれないんですよね。これは理解がされれば。だから、今国会中にいく可能性はゼロじゃありませんよ、言っておきますけれども。

(問)6日に改めて今日と同じような政府与党の対策の会議が開かれるということですか。(答)違います。

(小林政策統括官)合同会議になるんです。第3回本部会合と経済対策閣僚会議の合同会議を開いて決定して、その後の閣議で報告するということです。

(麻生大臣:答)簡単に言ったら、今日と同じように合意を得なかったところに関しては、政府と党との間で詰めさせていただいて、もう1回きちんとした会議を得た上でやらせていただきます。基本的には6日までに、少なくとも今申し上げたような政府と党との間での合意を得るためのセレモニーをきちんとします。

(問)税制について亀井政調会長が、まだ表現が曖昧だというようなことをおっしゃっていたんですが、そこの表現は6日のところで変わるんでしょうか。

(答)どこの表現ですか。税についてのどこですか。

(問)全体に対して、表現があいまいだというふうなことを亀井さん言っていましたけれども。

(答)言ってましたって、いつ言っていたんですか。

(問)本部会合終了後です。今日の会議の終了後です。

(答)今日の会議が終わった後で、この今日の4つのところで土地流動化の促進やら何やら入れたところなどというところで、表現はいろいろあるとは思いますけれども、それは曖昧にならざるを得ませんから、ないものねだりしても無理です。

(問)感触として買い取り機構を今国会で通過にというご認識ですか。

(答)わかりません。

(以上)

(注)事後修正の可能性あり。