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今週の指標 No.1205 建築工事関連費の動向について

ポイント

2018年7月6日

  1. 新築マンション発売価格が2013年以降高騰し、高止まりの状態が続いている(図1)。デベロッパーは通常、建築費や土地購入費等の費用を発売価格に転嫁するため、新築マンション発売価格高騰の背景の一つには、建築工事関連費の上昇があると考えられる。そのため、新築マンション発売価格の動向をみる上で、建築工事関連費の動向は重要であり、以下ではその動向についてみてみる。

  2. マンションを建築する際の建築費を構成する細かな費目等の工事価格を合成して作成される建築費指数(注1)の動向をみてみると、2014年末頃まで上昇傾向となっていたが、2015年初から落ち着きをみせ、2015年末頃には緩やかな減少傾向となったものの、2017年初から再度上昇傾向となっている(図2)。

  3. 建築費指数の動向の要因をみるために、工事種類(注2)別の構成ウエイトを用い、建築と設備に分けて、前年同月比を寄与度分解すると、設備工事よりも建築工事による寄与が大きいことがわかる(図3)。そこで、寄与の大きい建築工事に限って、具体的にどのような細目が寄与しているのかをみるため、建築工事の前年同月比を主要細目別に寄与度分解してみると、2014年末頃までの上昇では、型枠工事(労務費含む)を筆頭にほとんどの主要細目においてプラスに寄与していたが、直近の上昇では、資材価格である鉄筋価格の上昇が大きく寄与しているという違いがある(図4)。その動向の背景として、型枠工事等の上昇は東日本大震災後の復興工事等の建設需要からくる労働需給のひっ迫に伴う労務費の上昇の影響が大きいと考えられる。ただ、2015年に入ってからは、その労働需給のひっ迫も一時期よりは緩和し、落ち着きを取り戻しており、直近の上昇は主に資材価格の値上がりによるものとみられる(図5,6)。

  4. 上記でみたように、建築工事関連費は、建設需要に伴う労働需給や資材価格等に応じて変動していると推察されるため、建築工事関連費の動向をみる上では、それらの動きについて、注視していく必要がある。

(注1)ここで用いている建築費指数とは、使途を集合住宅、構造をRC(鉄筋コンクリート造)とした建物の工事原価のうち、工事現場の運営に必要な経費である現場経費を除いた純工事費指数を指す。
(注2)工事種類は「仮設」、「土工・地業」、「躯体」、「仕上」、「電気」、「給排水衛生」、「暖冷房空調」、「昇降」と8つに分けられ、前四種が建築となり、後四種が設備となる。具体的には、「仮設」が足場や仮設トイレ設置工事等、「土工・地業」が盛土や基礎杭打ち工事等、「躯体」が型枠や鉄筋工事等、「仕上」が塗装や内外装工事等、「電気」が電力引込みや照明器具設置工事等、「給排水衛生」が屋内給水や給湯設備工事等、「暖冷房空調」が空調機器や換気機器設置工事等、「昇降」がエレベーター設置工事等となっている。


図表



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