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今週の指標 No.1200 インバウンドが民間建設投資に与える影響

ポイント

2018年6月14日

  1. 近年の民間企業設備投資の動向は、企業収益の改善等を背景に緩やかに増加している。「国民経済計算年報」に基づいて、民間企業設備投資の形態別の動向を長期的にみると、減少傾向にあった建設投資の比率が2013年以降は高まっており、2016年には約22%となった(図1)。

  2. 民間建設投資の先行指標である「建築着工統計」にて工事費予定額の推移を見てみると、2012年の第3四半期以降、緩やかに増加してきたことがわかる(図2)。増加に転じる前の2012年度の構成比と17年度までの工事費予定額の増加率について、業種ごとに比較してみると、宿泊飲食業の工事費予定額が400%に近い増加率で大きく伸びており、寄与が高まっていることがわかる(図3)。

  3. 宿泊飲食業の伸びの背景を見るために、国内全体の延べ宿泊者数(日本人と外国人の延べ宿泊者数の合計)を確認すると、2012年から増加傾向にあり、17年に5億人泊に迫る延べ宿泊者数となった。そのうち、12年には約6%であった外国人宿泊者数の比率が、17年には約16%と大きく伸びている点は特徴的である(図4)。このような外国人観光客の増加が、宿泊業や周辺の飲食業の将来需要を喚起し、建設需要の増加として現れているものと考えられる。 

  4. 次に宿泊飲食業の2012年度から17年度までの工事費予定額の増加率について、地域ごとに動向を見ると、南関東や近畿といった大都市圏、また、沖縄や北海道で伸びが高まっているが(図5)、これらの地域では、外国人宿泊者数の比率が大きく伸びる中で宿泊飲食業の工事費予定額が伸びていることがわかる(図6)。それぞれの地域の特色を活かしたインバウンド需要拡大に向けた取組が、外国人観光客数の増加につながり、それが建設需要の伸びの背景となっていると考えられる(図7)。

  5. 以上、来日動機を高める地域ごとの取組に加え、東京オリンピック・パラリンピックに代表されるような各種イベント開催による訪日機会の高まり、格安航空会社の普及、ビザ要件の緩和など、訪日外国人のさらなる増加が見込まれることから、今後も民間建設投資における宿泊飲食業の寄与が高まるものと推測される。


図1~7



問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付
荒川 卓也、 直通:03-6257-1565

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