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今週の指標 No.1198 消費者物価指数における個人サービスの動向

ポイント

2018年5月14日

  1. 消費者物価の基調をみる上で「生鮮食品及びエネルギーを除く総合(以下、コアコア)」が重要であり、コアコアに対するウエイトをみると、財よりサービスの割合が高く、約57%を占める。その中でも家賃に次ぐウエイトを占める個人サービス(注1)の中長期的な動向を確認する(図1)。

  2. 1990年代半ばは、個人サービスが1%強程度上昇していたが、その内訳をみると、工事その他サービス(大工手間代等)、宿泊料、授業料等が上昇していた(図1)。その背景には、売上高に占める人件費の割合が上昇したことで、サービス価格に対する価格上昇圧力が強まっていたこと(図2)、大学進学率の向上等により大学在学者数が増加していたこと(図3)があげられる。

  3. 2000年代初めは、人件費による価格上昇圧力が抑制され工事その他サービスや宿泊料が下落に転じたことに加え、バブル崩壊後の景気低迷等によりゴルフプレー料金等が下落し、個人サービスは低迷した(図1)。2000年代半ば以降は、景気の状況や原油価格、為替の動向を反映して、外国パック旅行費が上昇と下落に寄与していたことに加え(図4、図5)、高等学校授業料無償化で消費者の負担する私立高校授業料が下落したことにより、個人サービスは前年比プラスとマイナスを繰り返した(図1)。(注2、注3)

  4. 2013年以降は、前年より始まった景気回復により幅広い品目が上昇しており個人サービスは堅調に推移している(図1)。2015年頃からは入場・観覧・ゲーム代のうちテーマパーク入場料が入場者数増加を背景に上昇している(図6)。また、日本人延べ宿泊者数が堅調に推移する中、外国人延べ宿泊者数が増加していること等により宿泊料が一貫して大きく上昇しており(図7)、娯楽関連の好調が個人サービスの上昇に寄与している。その背景を詳しくみてみると、宿泊施設の客室数の動向は、増加する訪日外国人の取込や東京オリンピックに向けた再開発等によりホテルの客室数は増加傾向にある一方、既存旅館の客室数が減少しているため、旅館とホテルを合わせた宿泊施設の客室数はほぼ横ばいであることに対し、訪日外国人の増加等により延べ宿泊者数は増加傾向にあり(図8)、こうした需給の引き締まりを反映して宿泊料は堅調に推移していると考えられる。

  5. 以上、個人サービスを中長期的にみると、1990年代は人件費高騰等を要因とした価格上昇圧力等により、住居関連(工事その他サービス)や教育関連(授業料等)の上昇寄与が大きかったが、近年は内需だけでなく外需にも支えられ、娯楽関連(宿泊料、外国パック旅行費、テーマパーク入場料等)の上昇寄与が大きくなっており、緩やかな景気回復が続く中、消費者物価における個人サービスの価格上昇が続くことが見込まれる。

(注1)個人サービスは、総務省分類の他のサービスに該当する。なお、携帯電話通信料は技術革新が進む中で競争が激化し、継続的に下落傾向である。本稿は携帯電話通信料の影響を除いた個人サービスの中長期的な動向を確認する為、今回の分析対象に含まないこととする。
(注2)2009年に保健医療サービスが上昇しているのは、この年に開始された産科医療補償制度により、出産入院料が上昇したことによるもの。
(注3)2012年~2013年に他の娯楽サービスが下落しているのは、インターネット接続料が下落したことによるもの。


図1~図8



問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付
松岡 勇志 直通:03-6257-1569

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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