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今週の指標 No.1188 中国の都市部・農村部の所得について

ポイント

2018年1月31日

  1. 人々が購入する財・サービスの種類は、その所得水準により異なることから、中国の消費動向を検討する上で、どういった所得階層が拡大しているかを分析することは重要な観点の1つと言える。本稿では、人々の購買力をみるため、中国の所得階層に着目し、都市部と農村部別にその動向を整理していく。

  2. ここでは、次のとおり、購入可能な財・サービスの違いから、所得階層を「低所得層」、「下位中間所得層」、「上位中間所得層」、「高所得層」の4つに区分する(※1、※2)。
    (1)低所得層(一人当たり年間可処分所得1.3万元未満)
    食品や衣類、基本的なサービス等の生活必需品を購入

    (2)下位中間所得層(一人当たり年間可処分所得1.3~6.7万元)
    家電等生活必需品以外で少額な財・サービスを購入

    (3)上位中間所得層(一人当たり年間可処分所得6.7~20万元)
    乗用車やブランド品、1級・2級都市(※3)の住宅を購入

    (4)高所得層(一人当たり年間可処分所得20万元以上)
    金融サービス、海外旅行、高価格な財・サービスを購入

  3. 都市部・農村部別に5分位別の所得をみると、都市部は、2005年時点で所得が最も高い第5分位が「下位中間所得層」に、第1~4分位が「低所得層」に属していたが、16年には第1~4分位が「下位中間所得層」に、第5分位は「上位中間層」に入っている。一方で、農村部は、05年時点で全ての階層が「低所得層」となっており、16年においても第5分位、第4分位は「下位中間所得層」に属しているものの、第1~3分位は「低所得層」にとどまっている(図1)。すなわち、都市部では8割以上の人が「下位中間所得層」となり、家電等の購入が可能となった一方で、農村部では依然として5割以上が生活必需品しか購入できない「低所得層」となっている。

  4. また、都市部、農村部ともに「下位中間所得層」の割合が高まってはいるが、都市部内・農村部内の所得格差の傾向には違いがみられる。所得格差を第5分位と第1分位の比でみると、都市部より農村部の格差が大きく、13年以降は都市部で格差が縮小しているのに対して、農村部では逆に格差が拡大している(図2)。

  5. 今後の中国の消費動向を占うため、将来の所得階層の動向をみる。17~20年の五分位の所得が、それぞれの直近3年間(14~16年)の前年比の平均で毎年伸びたと仮定すると、都市部では、各分位が属する所得階層に16年と20年で違いはみられない。一方、農村部をみると16年で「低所得層」に属していた第3分位が20年には「下位中間所得層」に属すと予測される(図1)。農村部内格差には注視を要するものの、生活必需品の購買力しかもたない低所得層の割合が低下し、家電や自動車、ブランド品の購入が可能となる中間所得層の割合が上昇することから、中間所得層が中国の消費を下支えしていくものと考えられる。

(※1)Economist Intelligence Unit “The Chinese consumer in 2030”の区分に基づく。なお、経済産業省「通商白書」(2011)では、世帯可処分所得が5,000ドル未満を低所得層、5,000~15,000ドルを下位中間層、15,000~35,000ドルを上位中間層、35,000ドル以上を富裕層と定義している。下位中間層は貧困から脱し、市場経済に参入し始めた人々から構成され、まず新しい衣服を購入し、テレビや洗濯機、冷蔵庫等の必要な家電製品を買い求めていく層としており、上位中間層は様々な家電製品や自動車を購入し、医療・教育等のサービス支出を増加させ、週末や長期休暇にレジャーを楽しむ余裕のある人々としている。

(※2)所得階層の区分は2015年価格による。このため、2015年を除く時点では、物価変動は考慮されていない。

(※3)1級・2級都市について厳密に統一された定義は存在しないものの、中国国家統計局は1級都市を北京、上海、広州、深センの4都市、2級都市を天津、重慶等の31都市と分類している。


図1~2



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担当:参事官(経済財政分析-海外担当)付
石原 弘美、 直通:03-6257-1582

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