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今週の指標 No.1182 家計の金融資産の保有動向

ポイント

2017年11月13日

  1. 我が国の家計の金融資産の残高は、2016年12月末に1,800兆円を超え、引き続き増加基調にある(図1)。家計の金融資産に占める現預金とリスク性資産の保有割合をみると、現預金が全体の5割程度の水準で推移する一方、株式等のリスク性資産では約2割弱で推移しており、大きな変化はみられていない。本稿は、家計の安定的な資産形成の実現に向けた流れの中で、リスク性資産の保有動向や投資信託、制度面等を中心に、最近の動向を確認する。

  2. まず、リスク性資産について、株価や為替の時価変動を示す「価格変動要因」と時価変動を除いた資金の流出入を示す「フロー要因」で分解すると、2012年以降のリスク性資産残高の増加は、株価の上昇等を背景とした価格変動要因が寄与していることが確認できる(図2)。

  3. 次に、リスク性資産の取引項目別のフロー要因をみると、株式等は、株価の上昇局面において個人投資家が利益確定目的で売り越す傾向もあって、資金流出が続いている(図3)。一方、投資信託においては、安定的な資金流入が続いており、純資産総額、ファンド数ともに増加している(図4)。

  4. 株式投資信託の商品分類別内訳をみると、年金補完等の利点から購入されてきた毎月分配型投資信託は長期運用に向いていないとの指摘もあり、2015年以降減少している(図5)。インデックス型投資信託やETFは、他の商品より取引コストが相対的に低く、日経平均株価等の指数に連動する商品性の分かりやすさなどから、純資産総額が増加しているとみられる。

  5. 2018年1月にスタートする「つみたてNISA」では、少額からの長期・積立分散投資を促す制度趣旨を踏まえ、対象商品は一定の要件を満たした投資信託(ETFを含む)に限定された。取引コストに一定の基準が定められたこと、信託契約期間が無期限又は20年以上であること、分配頻度が毎月でないことといった要件のほか、一般的なインデックス型投資信託等が基本の商品に据えられている(※)。投資未経験者へのアンケート調査によると、投資をしない理由は「まとまった資金がないから」が最も多く、「投資の知識がないから」といった回答が続くことを鑑みると、このような投資未経験者が資産運用を始めるにあたって、ニーズに則した制度と考えられる(図6)。

  6. 2014年1月に開始された一般NISAや、2017年1月に適用対象が拡大された個人型確定拠出年金(iDeCo)が、家計の安定的な資産形成に向けて、新たな層を取り込むきっかけとなった。「つみたてNISA」のスタートが、少額からの積立投資の浸透や、投資未経験者の実践的な投資教育の促進につながるなど、より幅広い層を取り込むことが期待される(図7、8)。

(※)2017年11月8日時点の対象商品は、103本のインデックス型投資信託と14本のアクティブ型投資信託の合計117本の公募株式投資信託。


図1~8



問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付
笠井 泰士 直通:03-6257-1565

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