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今週の指標 No.1181 南アフリカ 消費と人種間の雇用・所得について

ポイント

2017年10月2日

  1. 南アフリカ経済は、4-6月期の実質GDPが、前期比年率+2.5%となり、前年10-12月期から2四半期連続のマイナス成長の後、主に個人消費にけん引されるかたちでプラス成長に転じている(図1)。以下では、南アフリカの個人消費について、人種別に雇用・所得の状況を概観しつつ、考察していく。

  2. 個人消費については、2017年に入りインフレ率が足元にかけて目立って改善しており、これが改善に寄与したものと考えられる(図2)。

  3. その一方で、失業率をみると27.7%と引き続き高水準で推移しており、雇用環境は厳しいものとなっている。人種別にみると、特に黒人の失業率が31.3%と高く、カラード(混血)が23.6%、インド・アジア系が13.3%、白人が5.7%となっており、人種間で失業率の違いが鮮明となっている(図3)。南アフリカの人種別人口構成は、黒人が全人口の約8割を占めており(図4)、黒人の高い失業率が全体の失業率を押し上げている。

  4. また、人種別の所得をみると、人種間の格差は大きく、黒人の平均所得は白人の約2割にとどまっている。このため、南アフリカの消費拡大には、全人口の約8割を占める黒人の失業率や所得の改善を図っていく必要がある。

  5. 南アフリカでは、1990年代初頭に政治の民主化と経済の自由化が進み、アパルトヘイト下で制定された各種規制が撤廃された。しかし、これまで見てきたように、なお人種間の失業率や所得格差は大きい。南アフリカ憲法では、「不当な差別で不利な立場に置かれている人々の地位向上に向けて立法その他の方策を講じることができる」(第9条第2項)と定められており、アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)を通じ、アパルトヘイトのもとで存在した不当な差別によって、歴史的に不利な立場に置かれてきた人々の地位向上が図られている(※1)。このような政策を通じ、大量の失業者が生産活動に振り向けられるとともに、教育や労働制度などの構造改革を通じた所得の向上が、今後の消費拡大につながっていくかが注目される。

(※1)アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)の動きについては、2002年の「鉱物石油資源開発法」、2003年の「拡大黒人経済力強化法(B-BBEE法)」の制定、2014年の「拡大黒人経済力強化法(B-BBEE法)」改正などが挙げられる。


図1~5



問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-海外担当)付
髙橋 直嗣 直通:03-6257-1581

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