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今週の指標 No.1157 我が国の株式市場における海外投資家の動向

ポイント

2016年12月26日

  1. 我が国の株式市場について、投資主体別の売買状況をみると、株価の上昇局面では海外投資家が買い越し、下落局面では海外投資家が売り越しており、2016年下期においては、株価の上昇局面である米大統領選後の11月第2週(2016年11月7日~11月11日)以降、海外投資家が6週連続で買い越している(図1)(※1)。本稿では、我が国の株式市場のけん引役である海外投資家の動向を確認する。

  2. まず、我が国の株式保有構造の推移を確認する。外国法人等の株式保有比率をみると、1990年代初頭の株式保有比率5%弱から上昇を続け、2013年度には30%超まで上昇している(図2)。一方、金融機関(銀行や保険会社)の株式保有比率は、1990年代半ば頃までは株式持ち合いを軸に15%程度の株式保有比率があったものの、大口信用供与等規制の強化等の制度的要因を背景に、持ち合い解消が進むなかで、徐々に低下している。この低下分は、この間に株式保有比率を高めていた外国法人等が受け皿になっていたと考えられる。また、投資部門別の売買動向を確認すると、我が国の株式市場は海外投資家が約7割という高い水準を安定的に占めており、我が国の株式市場は、海外投資家の動きが大きな変動要因となっており、ひいては我が国の株式市場は海外経済の動向に影響されることが推察される(図3)。

  3. 海外投資家の動きを把握するうえでグローバルに活動する投資家の不安心理を表すVIX指数(※2)を確認すると、6月には英国のEU離脱に関する国民投票の結果を受けた海外経済の不確実性の高まりから指数は上昇しており、我が国の株価も大きく下落した。その後、市場が落ち着きを取り戻すなかで、11月9日の米大統領選を前に一時指数は上昇したものの、米大統領選後は、トランプ次期米大統領の政策への期待や米国経済の回復、OPECの原油減産合意等を背景に、指数は低下しており、リスク回避姿勢が弱まっていることが示唆される(図4)。また、株式投資動向に関する市場関係者へのアンケート調査結果をみると、先行きの株式相場において、市場関係者の約8割が海外投資家の動向に注目しているほか、株式相場に与えるインパクトについては、海外投資家がプラスのインパクトを与えるとの見方が増えている(図5、6)。

  4. このように、我が国の株式市場における海外投資家は、売買シェアや市場関係者からの注目度が高いことを確認できた。今後も、我が国の株式市場を確認する上で海外投資家の動向を把握することが重要であり、海外経済の不確実性にも留意していく必要がある。

(※1)本稿は、2016年12月22日までに入手したデータを使用している。

(※2)VIX( Volatility Index)指数は、シカゴ・オプション取引所がS&P500を対象とするオプション取引のボラティリティを元に算出、公表している指数。数値が高いほど、投資家の不安度が高くなることを示す。


図1~6





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