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今週の指標 No.1154 我が国における正規雇用者の働き方について

ポイント

2016年10月31日

  1. 我が国におけるフルタイム労働者の所定外労働時間(残業時間)をみると、景気変動の影響も受けつつも、2000年以降増加傾向にあり、足下(2015年)では正規雇用者の約3割は、月40時間以上残業している(※1)。我が国においては、依然として多くの正規雇用者が長時間の労働に従事しているものと思われる。

  2. ここでは、我が国における正規雇用者の働き方の現状を仔細にみるため、リクルートワークス研究所が2016年に行った「全国就業実態パネル調査」(※2)の個票を用い、男女別、役職別、企業規模別(※3)に労働時間、労働時間に応じた仕事からのストレスの状況及び仕事への認識について確認した。これらの分析により、以下の4点が分かった。

  3. 第一に、労働時間についてみると、企業規模に関わらず、役職が係長・主任以上になると、労働時間が増加する傾向にあった。企業規模別では、平均週当たり労働時間に大きな違いはなかったが、大企業の課長以上において、週50時間以上労働する者の割合が最も高かった(図1)。

  4. 第二に、仕事と家庭の両立についてみると、役職に関わらず、労働時間が増えると、「仕事と家庭生活の両立にストレスを感じている」者の割合が高くなる傾向がみられた。役職別では、「係長・主任」において、ストレスを感じる者の割合が最も高く、「課長以上」が最も低かった。男女別にみると、概ね、男性よりも女性において割合は高く、特に、「係長・主任」の女性(※4)では、就業時間が長くなると、顕著にストレスを感じる者の割合は高まっていた。企業規模別には、大きな違いは見られなかった(図2)。

  5. 第三に、仕事へ満足している者の割合をみると、役職に関わらず、労働時間が増えれば、割合は低下する傾向があった。役職別では、「課長以上」で満足していると答える者の割合が高く、「役職なし」で低かった。男女・企業規模による差異は明確には確認できなかった(図3)。

  6. 第四に、「仕事を通じて成長の実感を持っていた」者の割合をみると、「係長・主任」で、労働時間が増えるほど高まっている一方で、「課長以上」「役職なし」では、労働時間による大きな違いは見られなかった。男女別にみると、女性において、成長の実感を持つ者の割合が若干高かった一方、企業別では、男女・役職に関わらず、大企業において割合が高かった(図4)。

  7. このように、我が国の正規雇用者の働き方の実態は役職によって差異がみられるが、同じ役職内で比べれば、長時間労働は仕事と家庭の両立にストレスを感じる者の割合を高めるとともに、仕事への満足度を低める傾向があり、長時間労働は、労働者に対して一定の負の影響を及ぼしているものと考えられる。

(※1)内閣府「平成28年度版 年次経済財政報告」を参照。

(※2)調査項目は2015年時点のもの。調査は、インターネットを通じて全国15歳以上の男女49,131名に対して、2016年1月14日~1月25日にかけて実施された。

(※3)役職は、代表取締役・役員・顧問、部長クラスの管理職、部長クラスと同待遇の専門職、課長クラスの管理職、課長クラスと同待遇の専門職を「課長以上」、係長・主任クラスの管理職、係長・主任クラスと同待遇の専門職を「係長・主任」、役職にはついてないを「役職なし」としている。また、企業規模は、会社全体の従業員数であり、小企業(99人以下)、中企業(100~999人)、大企業(1000人以上)に分けている。

(※4)「係長・主任」の女性の平均年齢は43.6歳であり、約46%は子持ちである。また、子持ちの「係長・主任」女性のうち末子が中学生以下の割合は46%程度である。


図1

図2

図3

図4



問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付
久保 龍太郎、 直通:03-6257-1567

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