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今週の指標 No.1146 日本における自動車市場の動向

ポイント

2016年6月20日

  1. 乗用車の販売台数には足下で弱い動きがみられるが、長期的にみても減少傾向で推移している(図1)。長期的なトレンドに影響を与える要因はいくつか考えられるが、ここでは、乗用車の買換えサイクル、世代別にみた乗用車の普及率及び居住地域別にみた乗用車購入の観点から確認する。

  2. 第一に、乗用車の買換えサイクルは長期化している。乗用車の平均使用年数を確認すると、1996年には約9.2年であったが、2015年には約12.4年となっており、19年で3年程度伸長した(図2)(注1)。この背景には、乗用車の品質向上や走行距離の短縮等により、故障などによる買替え機会が減少したことが考えられる(注2)。

  3. 第二に、乗用車の普及率が低下傾向にあるなか、若い世代であるほど乗用車離れが顕著となっている。乗用車の普及率の推移を生まれ年別にみると、最近では普及率が低下する傾向にある。また、同じ年齢時点における各世代の普及率をみると、1970年生まれより若い世代では、その上の世代に比べて普及率が低くなっている(図3)。この背景として、若い世代にとっては、車は生活必需品ではなく、支出項目の多様化により他にお金をかけたいとの意識があること等が考えられる(注3)。

  4. 第三に、都市部では乗用車購入に関する支出が地方に比べて小さい。乗用車への支出の居住地域による違いを特化係数(注4)により確認すると、都市部ほど特化係数が小さくなっており、乗用車への支出割合が小さいことが分かる(図4)。人口が都市に集中してきている傾向がみられる近年においては、都市部への人口流入も乗用車の販売台数減少の背景となっていると考えられる(注5)。

  5. 以上のことから、買換えサイクルの長期化、若い世代での乗用車普及率の低下、乗用車支出割合の低い都市部への人口流入は、いずれも乗用車販売の下押しに寄与する要因となっている。これらに留意しつつ、足下の乗用車販売の動きをみていく必要がある。

(※1)内閣府「消費動向調査」によると、乗用車の買替えサイクルも長期化傾向である。

(※2)内閣府「消費動向調査」によると、乗用車の買換え理由における「故障したから」及び「上位品目が欲しかったから」は減少傾向である。

(※3)日本自動車工業会「2015年度 乗用車市場動向調査」。

(※4)ここでの特化係数とは、各地域の自動車等購入の消費支出に対する構成比を全国の自動車等購入の消費支出に対する構成比で除したもの。特化係数が1の場合は、自動車等購入の構成比が全国平均の水準と同じ、1より大きい場合は、自動車等購入の構成比が全国平均の水準を上回っているということとなる。

(※5)総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 平成26年(2014年)結果」によると、1996年以降、3大都市圏(東京圏・名古屋圏・大阪圏)合計では転入超過が続いている。


図1~図4



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