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今週の指標 No.1143 日本からの中国向け鉄鋼輸出について

ポイント

2016年6月6日

  1. 中国の経済成長率が緩やかに低下する中、日本から中国向けの鉄鋼輸出(重量ベース)は減少が続いていたが、2015年秋ごろには下げ止まり、足下では回復の兆しがみられる(図1)。

  2. 2015年の世界の粗鋼生産量を国ごとに比較すると、中国のシェアが最も高く、全体の50%を占めている(図2)。一方で、日本からの中国向け輸出に占める鉄鋼の金額シェアは約4%と一定程度の規模があり、重要な輸出財の一つである。そこで、今回は日本から中国に対し、足下でどのような鉄鋼の輸出が増えているのかを検証する。

  3. 一般的に、鉄鋼は普通鋼材と特殊鋼材に分けられる。特殊鋼材は、強度を上げるなど特定の目的のために特殊な処理を施した鋼材であり、付加価値が高い財とみられる。そこで、日本鉄鋼連盟の定義に従い、中国向け鉄鋼輸出を普通鋼材と特殊鋼材に分けると、普通鋼材が下げ止まる中、特殊鋼材が増加傾向にあることが、鉄鋼輸出に回復の兆しがみられる要因であったことがわかる(図3)(※1、2)。

  4. 特殊鋼材の内訳をみると、重量のシェアが高い合金の広幅帯鋼が増加傾向にある(図4)。この鋼材は、主に自動車や産業用機械の生産に用いられることから、政策効果等により中国国内の自動車生産が回復傾向にあることなどが鉄鋼輸出増加の一因と考えられる(※3)。

  5. 日本の輸出動向はおおむね横ばいで推移しているが、高付加価値な財の一部に対する需要は拡大していることが窺える(※4)。

(※1)鉄鋼輸出は普通鋼材と特殊鋼材以外に銑鉄や半製品なども含まれるが、中国向けの鉄鋼輸出に占める重量ベースのシェア(2015年)は、普通鋼材が68%、特殊鋼材が28%と、合わせると95%以上
     を占めるため、ここでは考慮していない。

(※2)日本鉄鋼連盟の定義によれば、貿易統計の統計品目で、普通鋼材が224品目、特殊鋼材が172品目定められている。今回は、そのうち2015年以降で輸出実績のある品目を抽出し、普通鋼材が151品
     目、特殊鋼材が139品目でそれぞれを重量で集計。

(※3)2015年の中国向け鉄鋼輸出のうち、合金の広幅帯鋼のシェア(重量ベース)は約17%。

(※4)平成28年5月月例経済報告(平成28年5月23日)において、輸出の判断は「輸出は、おおむね横ばいとなっている」となっている。


図1~4

問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付
笠原 滝平 直通:03-6257-1565

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