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今週の指標 No.1136 最近の原油価格下落の要因

ポイント

2016年2月1日

  1. 原油価格(WTI)が14年半ば以降、下落傾向となっている要因を需給面と金融面から考察する。

  2. 需給面をみると、14年半ば以降、供給超過の状態が続く中で原油価格が下落傾向を示している(図1)。需給ギャップが拡大した要因として、需要面では、中国をはじめとする新興国の景気減速によって需要の伸びが鈍化したことがあげられる。一方、供給面では、14年11月に、原油価格の下落に対して、OPEC諸国が原油生産の減産に合意できず、その後もサウジアラビアやイラクは原油生産を増産したこと、また、米国におけるシェール革命により原油生産量が高水準で推移したことがあげられる。

  3. 供給面の要因のうち、米国の原油生産量が高水準で推移しているのは、米国の原油生産量の半分を占めるシェールオイル生産において、原油価格が下落したためリグ数自体は急速に減少したものの(図2)、老朽化したリグの廃棄が進むことなどでリグ1基当たりの生産性が急速に向上したためである(図3)。

  4. また、原油価格は、15年入り後に供給超過の拡大傾向が落ち着くとともに、一旦持ち直す動きがみられたものの、15年後半以降は再び下落に転じており、最近の原油価格の下落には需給面以外の要因も影響していると考えられる(図1丸囲い部分)。そこで、原油先物市場の動向をみると、投機筋の買建玉(注)が趨勢的に増加傾向を示すとともに、売建玉(注)も15年に入り急増しており(図4)、投機資金が原油価格に与える影響が強くなっていることが推察される。

  5. 上述の通り、最近の原油価格には、需給面の要因が影響を与えるだけでなく、原油先物市場における投機資金の動向といった金融面の影響も強まっていると考えられ、原油価格の動向を分析する上で、需給面および金融面の両面を注視する必要がある。

(注)建玉(たてぎょく)とは、未決済になっている契約(約定)残高である。買建玉は先物で買い付けた建玉であり、売建玉は先物で売り付けた建玉である。そのうち、現物取引を伴わない投機的先物取引においては、買建玉は先行きの価格上昇を見越した買い付けによる未決済残高を意味し、売建玉は先行きの価格下落を見越した売り付けによる未決済残高を意味する。そのため、売建玉の増加は原油先物価格の下落要因となる。


図1~4

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久田 洋平 直通:03-6257-1581

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