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今週の指標 No.1119 最近の賃上げの動きについて

ポイント

2015年3月30日

  1. 連合「春闘生活闘争」によると、2014年度において、定期昇給分と賃金改善分を含む賃上げ率は2.07%(うち賃金改善分は0.39%)と15年ぶりの高水準となった。今年の春闘については、3月26日に公表された第2回「春季生活闘争」によると、賃上げ率が2.36%と昨年の第2回調査(2.23%)を0.13%ポイント上回った。第2回調査の賃上げ率の前年からの変化が、最終結果の前年からの変化と同程度となるとすれば、今年の賃上げ率は2.2%程度、賃金改善率は0.5%程度となると試算される(定期昇給分は前年と同じと仮定)。(図1)

  2. 2014年度の春闘の効果などから、一般労働者を中心に、所定内給与は2014年6月以降対前年比で増加している(図2)。一般労働者の所定内給与の対前年比増減率は、2014年度の4-12月が0.5%と、2013年度の4-12月期(0.0%)より0.5%ポイント増加し、2000年以来の水準となった。(図3)

  3. 企業が賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素の割合をみると、例年大半を占める「企業業績」の割合が減少している。「企業業績」以外の項目をみると、最も大きく増加しているのは「世間相場」であり、「労使関係の安定」が増加していることも踏まえると、賃金上昇に向けた取組みについて政労使で共通認識が醸成されたことが、昨年の賃上げに寄与したと考えられる。また、「雇用の維持」や「労働力の確保・定着」も大きく増加しており、労働需給が逼迫化していることも賃上げに影響しているとみられる。(図4)

  4. 消費税率引上げなどによる物価上昇に伴い、「物価の動向」と回答した企業も増加しており、2014年度は1.2%と前年度から1.0%ポイント増加したが、依然低い水準にある。物価が上昇している局面では、それと連動して賃金が上昇する傾向があるが、2014年度については、物価上昇が消費税率引上げによるところが大きかったことから、物価上昇を契機として賃上げを行った企業は少なかったと考えられる。

  5. 2015年度の春闘の賃金の引上げは、過去15年で最高となった昨年の水準をさらに上回る勢いであり、家計が所得が増えていく実感を得る中で、消費が持ち直し、経済の好循環がしっかりと回転していくことが期待される。

図1 賃金引上げの推移
図1:賃金引上げの推移

図2 所定内給与の寄与度分解
図2:所定内給与の寄与度分解

図3 一般労働者の所定内給与の対前年度比(4-12月期)の推移
図3:一般労働者の所定内給与の対前年度比(4-12月期)の推移

図4 賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素の割合の推移
図4:賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素の割合の推移



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