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今週の指標 No.1117 中国: 工業企業収益の動向

ポイント

2015年3月2日

  1. 中国の工業企業(一定規模以上(注1))収益の伸びは、14年において前年比3.3%増となり、2000年以降では最も低い伸び率となった(図1)。本稿ではその低い伸びとなった要因について分析する。

  2. まず、企業収益を業種別にみると、過剰投資による生産過剰問題が懸念されてきた資源、素材系の業種が低迷している。石炭採掘、石油・天然ガス開発業といった資源系業種の企業収益の伸びのマイナス幅が拡大しているほか、鉄金属加工、非金属鉱物、非鉄金属、化学原料等の業種も14年において低い伸びにとどまっている(図2)。一方で、通信、自動車、電気機械等は、14年においても二けたの伸びを維持している。。

  3. また、収益の伸びを企業業態別にみると、国有企業の低迷が特徴的である。中国では国有企業の存在が大きく、国有企業の収益総額も、14年において全体の約2割を占めている。なかでも先に挙げた資源系の業種では、国有企業のウエイトが大きい(注2)。私営企業や外資企業は13年、14年においてプラスの伸びを維持しているのに対して、国有企業は12年から3年連続マイナスで、14年も前年比▲5.7%となっている(図3)。

  4. こうした中国の企業収益の伸びの低下については、景気の拡大テンポが緩やかになるなか、生産過剰業種の調整が続いていることに加えて、資源価格の低迷も影響しているとみられる。足もとでは前年比減益(14年10~12月期:前年比▲5.9%)に転じており、当面企業収益の低迷は続くものと考えられる。。

(※1)2006年以前は全ての国有企業と年間の売上が500万元以上の非国有工業企業、07~10年は年間の売上が500万元以上の工業企業が対象。11年以降、年間売上が2000万元以上に引き上げられた。

(※2)国家統計局のデータによると、石炭採掘・選炭及び石油・天然ガス開発業において、国有企業(国有持株会社を含む)は、それぞれ企業数で13%、52%、収益総額では51%、91%のウエイトを占める(13年)。

(※3)各業種の利益の総利益に占めるシェアは、石炭(2.0%)、石油・天然ガス(4.9%)、鉄金属加工(2.5%)、非鉄金属加工(2.3%)、非金属鉱物(6.1%)、化学原料・製品(6.4%)、自動車(9.2%)、コンピュータ・通信(6.0%)、電気機械(6.1%)。


図1:企業収益の推移 図2:業種別企業収益(注3)

図3:企業業態別企業収益

問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-海外担当)付
長谷川 貴弘 直通:03-6257-1583

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