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今週の指標 No.1115 企業の貯蓄投資バランスの動向

ポイント

2015年2月23日

  1. 企業収益は、2013年度は円安等を追い風に一部製造業が過去最高益を更新する等、増加しており、2014年度に入ってからも高水準で推移している。(図1)

  2. SNA(国民経済計算)のデータを用いて、企業の貯蓄投資バランスを実物取引面からみると、2000年頃から企業の当期純利益(税引き後、配当支払い後)を原資とした内部留保と減価償却費の積み上がりが設備投資、在庫投資等の実物投資を上回り、企業の貯蓄投資バランスは貯蓄超過が続いている。(図2(1))

  3. 金融取引表を用いて金融取引面から貯蓄投資バランス(資金過不足)をみた場合(注)、2000年代前半は主に借入金等の減少を背景に資金過不足がプラス(資金余剰)になっている。これは当時、企業がバランスシート調整による財務体質の強化を迫られ、稼いだ利益を主に借入金の返済に充てていたためとみられる。一方、近年は借入金の返済が一服する中、対外投資等(対外直接投資、対外証券投資、対外債権)の金融資産の拡大が資金余剰につながっており、企業は稼いだ利益を主に海外への投資に振り向ける構図となっている。(図2(2))

  4. 金融取引表の推計の基礎資料となる資金循環統計を用いて、最近の貯蓄投資バランス(資金過不足)の動向を確認すると、2014年度上期(2014年4~9月期)には、企業は引き続き資金余剰主体であり、依然として対外投資等の金融資産の増加がみられる。(図2(3))

  5. 一方で、対外投資等の金額は、2013年度までは前年比で増加を続けていたが、2014年度の上期には、前年同期を下回っている。(図3)ただし、海外投資の動きは振れが大きく、海外M&A等、大口の投資が発生した場合等には年度ベースで前年比プラスに転じる可能性もあり、引き続きその動向には留意が必要となる。

(注)実物取引で発生した余剰資金(貯蓄超過)は、金融取引を通じて調整され、必ず金融資産の増加ないしは負債の返済に充当される。よって、実物取引面からみた貯蓄投資バランスと金融取引面からみた貯蓄投資バランス(資金過不足)は、表裏一体の関係にあり、概念上は一致するが、推計の基礎資料や推計手法の違い等から、両者は必ずしも金額が一致しない。


図1 企業の経常利益(全規模全産業)

図2 非金融法人企業の貯蓄投資バランス

図3 非金融法人企業の対外投資等の動向



問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付
木元 和久 直通:03-6257-1566

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