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今週の指標 No.1114 GDPギャップの推計方法の改定について

ポイント

2015年2月12日

  1. 2014年11月28日に、内閣府より、「固定資産残高に係る参考試算値」として、連鎖方式に基づいた実質値の固定資産残高が公表されたことを受け、GDPギャップ(注)の推計方法の改定を行った。

  2. 具体的な改定内容は以下の通り。
    1. (1)資本ストックの推計に用いるデータを、内閣府「民間企業資本ストック」から、内閣府「固定資産残高に係る参考試算値」における実質固定資産残高(以下、実質固定資産残高)に変更。実質固定資産残高は暦年のみで2012年までの公表となっているため、民間企業資本ストックに基づいて四半期化及び2013年以降の延長推計を行った。
    2. (2)合わせて、従来は民間企業のみとしていた資本ストックに、新たに公的企業の資本ストックも加えることとした。実質固定資産残高における公的企業の比率は、内閣府「国民経済計算確報」などを利用して推計した。また、公的企業は、すべて非製造業とした。
    3. (3)労働分配率を、1980年1-3月期から2014年7-9月期の平均である0.69とした。
  3. 以上の改定を反映した結果、2014年7-9月期のGDPギャップは▲2.5%となった。なお、消費税率引上げ前後の影響をならすため2014年1-9月平均のGDPギャップをみると、▲1.5%となっており、2013年以降、縮小傾向にある(図1、表)。
  4. 今回、資本ストックの減耗を考慮しない民間企業資本ストック(粗資本ストック)から、減耗を考慮した実質固定資産残高(純資本ストック)にデータを切り替えたことにより、資本ストックの水準が大きく変更されることとなった(図2)。また、これに伴い、潜在成長率の寄与度内訳も変更され、資本投入の寄与は直近ではほぼ横ばいとなり、代わってTFPの寄与度が大きく上昇した(図3)。

  5. 今回の変更を反映したGDPギャップを前回と比較すると、推計期間である1980年1-3月期~2014年7-9月期において、平均で+0.1%ポイント程度上方に改定された。また、直近の2009年1-3月期~2014年7-9月期においては、平均で+0.3%ポイント程度上方に改定された(図4)。特に直近において改定幅が大きいのは、リーマンショック以降、資本の減耗のスピードがより大きくなったためと考えられる(図2)。

(注)GDPギャップ=(実際のGDP-潜在GDP)/潜在GDP。GDPギャップのマイナスは供給に対して需要が不足していることを意味する。この推計にあたっては、潜在GDPを「経済の過去のトレンドからみて平均的な水準で生産要素を投入した時に実現可能なGDP」と定義している。従来までのGDPギャップの推計方法の詳細は、内閣府「日本経済2011~2012」付注1-6を参照。なお、GDPギャップの大きさについては、定義や前提となるデータ等の推計方法によって異なるため、相当の幅をもってみる必要がある。


図1:GDPギャップの推移

表:GDPギャップの推移

図2:資本ストックの新旧比較

図3:潜在成長率の新旧比較

図4:GDPギャップの新旧比較

問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付
荻島 駿、笠原 滝平 直通:03-6257-1568

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