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今週の指標 No.1107 中国:輸入低迷の背景

ポイント

2014年10月27日

  1. 中国の輸入は14年に入り前年比で1%台の低い伸びとなるなど低迷している(図1)。中国の輸入は内需向けと、輸出製品の生産に用いられる中間財など加工組立のうえ輸出に向けられる財に大別され、内外需の両面に着目する必要がある。輸入を品目別にみると、石油や鉄鉱石等の鉱物性製品や電気機器、一般機械の伸びが低下しており(図2)、この背景としては、内需の伸びの鈍化、貿易構造の変化等が挙げられる。以下ではそれぞれの要因を詳細に見てみよう。

  2. 2. まず、内需の不振についてみると、投資、消費がともに勢いを失っていることがある(図3)。投資については、鉄鋼業等の一部業種で過剰生産能力を解消するという構造調整を推進していること、また構造調整に伴いエネルギー需要が低下していること、不動産市場の調整等で建設関連の資本財需要が低下していることなどが押し下げ要因として働いている。消費については、12年末に発表されたいわゆる「倹約令」(※)により消費活動に下押し圧力が存在していることが挙げられる。

  3. 次に、貿易構造の変化についてみると、輸出先の景気に左右される所得要因に加えて、人件費の上昇、元高により輸出の価格競争力が低下していることも影響していると考えられる。賃金上昇率は低下しているものの、なお前年比10%程度で推移し、為替レートも増価している(図4)。製品価格の上昇を避けるため労働集約的産業では生産拠点をより人件費が安い国へと移しており、輸出の伸びは以前ほどの水準まで戻らず、最終的には輸出に向けられる財の輸入も低迷していると考えられる。

  4. 4. 先行きについても、輸入が伸びにくい要因として、中国政府による生産活動の構造調整がしばらく続き、足元の成長率かさ上げのための大規模な景気刺激策が打ち出される可能性が低いことなどが考えられる。輸入の伸びは以前ほどの力強さを取り戻すことは当面期待できず、資源国を中心に世界景気に与える影響についても注視していく必要があろう。


図1:貿易動向 図2:輸入内訳

図3:消費と投資の推移 図4:賃金と為替レートの推移
(備考)中国国家統計局、中国海関総署、CEIC、ブルームバーグ等より作成。
問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-海外担当)付
加藤 夕貴子 直通:03-6257-1583

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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