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今週の指標 No.1106 堅調に推移する公共投資

ポイント

2014年9月29日

  1. 公共投資に関する指標をみると、公共工事請負金額は2013年4月から2014年7月まで前年比で16ヶ月連続で増加、公共工事出来高は2012年2月以降前年比で30ヶ月連続で増加しており、公共投資は総じて堅調に推移している(図1)。そこで、堅調に推移する公共投資の近年の動向の特徴を確認するとともに、請負金額と公的固定資本形成の相関について分析する。

  2. 請負金額について、近年の動向を発注機関別に確認すると、2012年度の経済対策(注1)等を背景に2013年4月から9月まで国・地方(都道府県+市区町村)いずれの発注工事も増加し、この期間の前年比は23.8%増と大幅な伸びとなった(図2)。2013年10月以降は前年比1桁程度の小幅な増加が続いた後、2013年度の経済対策(注2)及び契約の早期執行(注3)等を背景に、2014年3月以降再び増勢が増した。予算規模の違いを反映して(注4)6月以降国の発注工事は前年比で減少が続いたものの、地方の発注工事が下支えする形で、2014年4月から8月までの累計の前年比は7.9%増となっている。

  3. 契約1件当たりの請負金額をみると、2012年度から顕著に増加している(図3)。他方、建設資材価格は、近年上昇傾向が続いている。また、設計労務単価は、国土交通省による実勢価格の適正な反映の取組みにより2013年度から上昇している。2012年度から足元まで続く契約1件当たりの請負金額の増加の背景には、これら建設物価の上昇の影響等(注5)が考えられる。

  4. 次に、請負金額と名目公的固定資本形成の相関について分析する。請負金額は公共工事の契約締結後に保証会社との保証契約を結んだ時点で計上されるのに対し、公的固定資本形成は工事の進捗に応じた出来高ベースで計上されるため、両者には時差が生じる。そこで、四半期ごとの時差相関を取ると、請負金額は1四半期後の名目公的固定資本形成にもっとも強い相関があることがわかる(図4(1))。

  5. 2014年4-6月期の請負金額は前期比で26.0%増となっていることから、7-9月期の名目公的固定資本形成は一定程度上昇することが期待される(図4(2))。一方で、建設物価の上昇は実質値を押し下げる要因となるため、今後もこれらの動向を注視する必要がある。

(注1) 「日本経済再生に向けた緊急経済対策」(2013年1月11日閣議決定)。
(注2) 「好循環実現のための経済対策」(2013年12月5日閣議決定)。
(注3) 2014年6月末時点において、国の公共工事は前年度補正予算は68%(前年同期は51%)、当年度予算は44%(前年同期は33%)が契約済と
    なっており、地方自治体は前年度繰越及び当年度予算の合計で39.8%が契約済(前年同期は36.5%)となっている。
(注4) 国の一般会計の公共投資関係費について、前年度補正予算及び当年度当初予算を合計した予算規模は、2014年度は前年度を下回っている。
(注5) このほか、国土交通省において発注ロットの大型化の取組みが行われている。


図1 請負金額と出来高の推移

図2 請負金額の発注機関別寄与度分解、図3 1件当たり請負金額と建設物価

図4 請負金額と名目公的固定資本形成


(備考)
  1. 東日本建設業保証株式会社「公共工事前払金保証統計」、国土交通省「建設総合統計」、「平成26年2月から適用する公共工事設計労務単価について」、一般財団法人建設物価調査会「建設物価指数月報」、内閣府「国民経済計算」により作成。
  2. 3の1件当たり請負金額の2014年度分は、4月から8月までの実績をもとに試算した推計値。資材価格の2014年度分は、4月から8月までの平均値。
  3. 4(2)は季節調整値の年率。

問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付
菊池 優 直通:03-6257-1569

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