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今週の指標 No.1087 インドネシア:通貨安の背景

ポイント

2014年1月20日

  1. インドネシアでは、2013年7~9月期の実質経済成長率は前年比5.6%と、2期連続6%の水準を下回っており、景気の拡大テンポは緩やかなものとなっている(図1)。その中、5月下旬にFRBの金融緩和縮小観測が生じて以来、新興国をめぐる国際金融資本市場は大きく変動し、中でもインド及びインドネシアの通貨の下落幅は比較的大きいものとなった(図2)。インドは輸出の回復や金の輸入規制策等が奏功し、通貨安に歯止めがかかり戻す一方、インドネシアは下落し続け、下落幅は約23%(※1)となっている。

  2. その背景には双子の赤字というぜい弱な経済構造があると考えられる。まず、経常収支をみると11年10~12月期より赤字に転じている(図3)。主な輸出品である一次産品の価格低迷による輸出減(※2)や、堅調な内需を背景とした輸入増による貿易収支の悪化が主な要因と考えられる。さらに、通貨の安定に必要な外貨準備高についても減少傾向で推移しており、輸入月数や短期対外債務残高との対比では適正規模目安を上回っているものの低下している(図4)。財政収支をみても、燃料補助金の増加を背景に赤字が続いている(※3)(図5)。

  3. また、この赤字を補う資金ファイナンスの構造は、金融資本市場の変動にさらされやすいものとなっている。中長期的な資金である直接投資は安定して流入している一方、証券投資や借入等のその他投資といった短期的資金には大きな変動がみられる(図6)。

  4. 通貨安は貿易赤字の拡大や輸入インフレの要因ともなり、更なる通貨安を引き起こす悪循環につながるおそれもあるため、中央銀行は13年6月以降5回利上げ(計175bp)を行うなど経常赤字の縮小やインフレ鎮静化等に向けた対応を行っている。また政府も、8月に経済安定化政策を公表するなど、経常収支の改善や通貨の安定化が期待されるが、各種政策の効果は限定的との指摘もあり、インドネシア経済を取り巻く環境は当面厳しい状況が続くとみられる。

(※1)14年1月14日時点(13年1月1日対比)

(※2)さらに、14年1月12日よりニッケルやボーキサイト等の鉱石の輸出規制が実施されている。

(※3)14年予算ベースでは、燃料補助金の削減等により財政赤字は縮小する見込みである。


図1:実質経済成長率 図2:アジア各国為替レート

図3:経常収支 図4:外貨準備高の保有状況

図5:財政収支 図6:資本収支の内訳


(備考)

1. CEIC、ブルームバーグ等より作成。

2. 為替データの1月分は14年1月14日までで算出。


問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-海外担当)付
加藤 夕貴子 直通:03-3581-9537

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