内閣府 Cabinet Office, Government of Japan

内閣府ホーム  >  今週の指標  >  今週の指標 No.1085

今週の指標 No.1085 外国人観光客が景況感に与える影響

ポイント

2013年12月16日

  1. 東日本大震災以降大きく落ち込んだ海外からの観光客数は、その後着実な回復をみせ、2013年は訪日外国人数が初の1,000万人に達するとも報じられている。政府は2030年までに訪日外国人数を3,000万人とすることを目標とするなど、外国人観光客がもたらす経済効果に期待しており、その規模の大きさからも外国人観光客の増加は景況感にも影響を与えていると考えられる。実際、景気ウォッチャー調査においても外国人観光客について触れるコメントがいくつかみられるようになっている(図表1)。このため、景気ウォッチャー調査を活用して、外国人観光客の増加が景況感に与える影響を調べてみる。

  2. 図表2をみると、「観光DI」及び「観光コメントDI」は現状判断DI(各分野計、以下全て)と高い相関があることがわかる。ここで、「観光DI」は「旅行・交通関連」と「レジャー施設関連」をあわせて算出しており、毎月210前後と総母数の1割の回答者がいる。「観光コメントDI」は、「観光」という言葉を含むコメントをした回答者だけで算出しており、その母数は月によって20~70と変動し、商店街や家電量販店などの幅広い業種のコメントが含まれている。

  3. それでは観光関連の景況感に影響を与えるものは一体何であろうか。図表3は、訪日外国人数と観光DI及び観光コメントDIの推移を示したグラフであり、訪日外国人数の増減に合わせてDIも増減している。最近では2012年9月以降、尖閣をめぐる状況の変化で中国からの観光客を中心に訪日外国人数が一時的に停滞していた時期は、DIも同時に停滞もしくは減少している。その後、航空便の増便やビザ制度の改定等により、東南アジアからの観光客数が増加し始めたこともあって、訪日外国人数、DIともに回復している。
    全体の景況感が良くなったために観光関連が良くなったという面もありうるが、図表4をみると、訪日外国人数が一定程度を超えてくると観光コメントDIは現状判断DIを上回っており、訪日外国人数の増加が観光関連の景況感を押し上げ、全体の景況感も引き上げている可能性があると考えられる。

  4. ここまでの結果、観光関連の景況感は訪日外国人数に一定程度影響を受けていることが考えられ、また、観光関連のDIは現状判断DIと高い相関があることがわかった。最後に、図表5で現状判断DIと訪日外国人数の関係を確認すると、やはりこちらも相関がみられた。したがって、国内旅行者が伸び悩むなか、訪日外国人数の増加はその経済的効果を通じて、景況感に好影響を与えることが示唆される。

外国人観光客に関するコメント抜粋(2013年9月~11月調査)

観光関連DIと現状判断DIの関係

観光関連DIと訪日外国人数の推移

観光コメントDIと現状判断DIの差分と訪日外国人数の関係 現状判断DIと訪日外国人数の関係

(備考)

  1. 図表2~5:内閣府「景気ウォッチャー調査」、日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」より作成。
  2. 「観光DI」は、家計動向関連内の「旅行・交通関連」と「レジャー施設関連」の判断を合計し、
    「観光コメントDI」は、景気判断理由集(現状)のコメントの中から「観光」の言葉が含まれるコメントを抽出、それぞれ5段階の現状判断別に集計してDIを算出した。(「良」:1点、以下0.25点刻みで「悪」:0点まで5段階に点数を与え、これらを各区分構成比(%)に乗じて算出)
  3. 期間は2011年1月から2013年11月までの35か月間。
  4. 訪日外国人数は2012年12月までは確定値、13年1~9月は暫定値、10、11月は推計値。

問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-地域担当)付
間山 創 直通:03-3581-0818

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

内閣府 Cabinet Office, Government of Japan〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)