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今週の指標 No.1072 鋼材製品の出荷在庫状況と固定資産投資からみた中国経済の現状

ポイント

2013年7月1日

  1. 中国国家統計局及びHSBCが1日に公表した製造業PMIは、それぞれ50.1、48.2(HSBC速報値48.3(6/20))(図1)となるなど、製造業の景況感に横ばいないし低下の動きがみられはじめている。このように中国経済の景気の拡大テンポにかげりが見え始める現状を踏まえ、本稿では経済成長の従来からの牽引役である固定資産投資及び密接な関連のある鋼材の出荷・在庫状況について概観する。
  2. まず鋼材の出荷・在庫状況をみると(図2)(注1)、経済の拡大テンポの鈍化に伴い在庫は積み上がり、12年5月以降の重要投資プロジェクトの早期実施が始まってからも、第3四半期までは状況が改善していなかったことが確認できる。その後上記政策の効果もみられ在庫調整が進んだものの、13年4月には再び在庫積み上がり局面となっており、足下の出荷在庫バランスはやや悪化している。
  3. こうした在庫の積み上がりの要因の1つとして、内需の固定資産投資のうち、12年で約4割弱を占める製造業投資の伸びの低下が大きく影響している(図3)。背景には内外需の伸び悩みに加えて、中国への対内直接投資の減少があげられ、各国の製造業メーカーが中国における人件費の上昇等もあり、生産拠点を求める誘因が徐々に薄れてきたことがあげられる(注2)。また、投資主導による経済成長の結果として、近年投資効率の低下(注3)など構造的な問題も指摘される他、こうした需要面の落ち込みは、鋼材価格の低迷として表れている(図4)(注4)。
  4. 鋼材需給に象徴される中国の投資動向からみて、投資の伸びは低下傾向にあることから、再び調整局面が長期化する可能性もあるため、引き続きその動向が注目される。

(注1)出荷統計は統計の制約から販売統計を使用。ただし、自動車販売同様、本統計も出荷ベースであることが考えられる。
(注2)詳しくは、世界経済の潮流13-I1章第3節1.(PDF版P.51~52)を参照。
(注3)毎年の投資額を資本ストックの増加分と仮定し、その名目GDPシェアを実質GDP成長率で除して試算すると、実質GDPを1単位増加
させるために12年で9程度必要となり、2000年の同4程度から投資効率が半分以下に低下しているという試算もある(12年大和総研等)。
(注4)その他、マンスリートピックスNo.19 を参照のこと。


図1 製造業PMI 図2 実質経済成長率、鋼材出荷在庫ギャップ 図3 固定資産投資 図4 鋼材価格(国内総合価格指数))

問合せ先

担当:参事官(経済財政分析ー海外担当)付
樋田 貴博 直通:03-3581-9537

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