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今週の指標 No.1068 投資信託を経由した市場への資金フローについて

ポイント

2013年5月27日

  1. 2012年秋からの株価上昇・円安進行を背景に、公募投資信託の残高が大幅に増加し(2013年4月末時点で77.7兆円)、リーマンショック前の水準を回復した。本稿では、最近の投資信託市場の動向と、投資信託を経由した市場への資金フローを概観する。

  2. 公募投資信託の残高は、2012年11月から2013年4月の間に18.1兆円増加しているが、株価上昇や円安による運用資産の評価益が13.5兆円と大部分を占めている(図1)。資金の純流入(販売額-解約・償還額)は足元で増加傾向にあるものの、残高増加に対する寄与はそれ程大きくない。よって投資信託を経由した市場への資金フローも限定的なものとなっている。

  3. 実際、投資信託を経由した日本株式への資金流入状況を株式売買動向を通してみてみると、足元で買付が大幅に増加しているが、同様に売却も増加しており、ネットでみると4月に6ヵ月ぶりに買い越しに転じたものの、買い越し額は230億円と低水準に留まっている(図2)。

  4. 投資信託を経由した外国株式・債券への資金流入状況を国際収支統計を通してみてみると、3月には外国債券を中心に合計4,440億円の買い越しとなっている(図3)。為替相場が昨年秋以降、急速に円安方向に推移するなかで、投資家の間に先行きの円安期待が形成されたことなどを背景に、外国株式・債券への資金流入は、日本株に対してよりも大きなものとなっているが、2009年から2010年にかけての水準と比較するとそれ程高いものではない。

  5. このように、投資信託の残高は足元で増加しているが、株価上昇・円安進行を背景とした評価益要因が大部分を占めており、投資信託を経由した日本株式、外国債券、外国株式市場などへのネットでの資金流入の水準は、それ程高いものにはなっていない。投資信託は家計などの資産運用手段としての役割以外に、経済成長を支える成長マネーの供給源としての役割も期待されており、こうした状況が変化していくかどうかを含め、今後の動向が注目される。


図1 公募投資信託の資産増減 図2 投資信託の日本株式売買動向 図3 投資信託委託会社等の対外投資動向

(備考)1.投資信託協会資料、東京証券取引所「投資部門別売買状況」、Bloomberg、財務省・日本銀行「国際収支統計」により作成。
    2.TOPIXと円ドルレートは月次の平均値。 
問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付
吉田 陽一 直通:03-3581-5854

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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