内閣府 Cabinet Office, Government of Japan

内閣府ホーム  >  今週の指標  >  今週の指標 No.1065

今週の指標 No.1065 鉱物性燃料の輸入動向

ポイント

2013年4月15日

  1. 日本の貿易収支は、2011年4月に赤字へ転換し、2011年10月以降はほぼ横ばいで推移したものの、2012年後半以降は赤字幅が増加傾向にある(図1)。この間の輸出入金額の推移を見ると、(1)東日本大震災以降は輸出金額が減少する一方で輸入金額が増加し、(2)2011年10月以降は輸出金額が伸び悩む中で輸入金額が高止まりし、(3)足下では輸出金額以上に輸入金額が増加している。

  2. 品目別輸入金額の推移を見ると、震災以降は他の品目がほぼ横ばいで推移する中(注1)、鉱物性燃料が増加した(図2)。一方、2012年末以降は、円安の影響もあり全ての品目で金額が増加している。なお、2012年5月以降の鉱物性燃料の輸入金額の減少については、原油価格の低下が影響したものと考えられる(注2)。

  3. このように特色のある鉱物性燃料について、輸入金額及び輸入数量の推移を確認する。震災以降、輸入金額が特に上昇したのはLNGである(図3)。この背景としては、輸入価格の上昇に加え、原子力発電所の停止に伴い火力発電の需要が高まった影響などから、LNGの輸入数量が大幅に増加したことがある(図4)。一方、原油や石炭については、LNGほどではないが輸入金額が増加したものの(前掲図3)、輸入数量はほぼ横ばいで推移した(前掲図4)。火力発電の需要が高まったにもかかわらず原油や石炭の輸入数量がそれほど増加しなかった理由としては、石油火力発電は発電コストが相対的に高いこと、石炭火力発電は震災以前からフル稼働に近い状況であったことが挙げられる。よって原油や石炭の輸入金額増加には、価格の上昇が寄与したと考えられる。
    これに対して足下のLNGの輸入動向を見ると、輸入数量はほぼ横ばいで推移しているにもかかわらず、金額は大幅に増加している。原子力発電から火力発電への代替がほぼ終了し、LNGの輸入数量が高止まりしている中、足下では円安の影響により輸入金額が押し上げられているといえる。

  4. 以上のように、震災以降においては、鉱物性燃料の価格上昇及び輸入数量増加に伴う輸入金額増加が貿易収支赤字転換の一因となった。しかし、震災後に増加傾向に転じたLNGの輸入数量には歯止めがかかり、足下ではほぼ横ばいで推移している中、今後は為替を含めた鉱物性燃料の価格動向にも留意が必要である。

(注1) 個別品目でみると、化学製品や通信機は増加した。

(注2) 2012年9月及び10月の鉱物性燃料輸入金額の変動については、10月からの環境税(地球温暖化対策税)導入を控えた駆け込み需要とその反動減と見られる。


図1 貿易収支及び輸出入金額の推移、図2 品目別輸入金額の推移
図3 鉱物性燃料輸入金額の推移、図4 鉱物性燃料輸入数量の推移

問合せ先
参事官(経済財政分析-総括担当)付
中島 岳人 直通:03-3581-9527

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

内閣府 Cabinet Office, Government of Japan〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)