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今週の指標 No.1062 赤字幅の拡大傾向が続くサービス収支

ポイント

2013年3月18日

  1. サービス収支の赤字幅は2010年まで縮小傾向にあったが、このところ2年連続で拡大した。「輸送」の収支の赤字拡大に加えて、特に2012年は、「その他サービス」の収支が8年ぶりに赤字に転じたことが、赤字拡大に寄与した(図1)。「輸送」の赤字拡大は鉱物性燃料等の輸入増加の影響と考えられる。ここでは、「その他サービス」の動向について詳細を確認する。

  2. 「その他サービス」の2012年の特徴とその背景について、次の3点が指摘できる(図2)。
      第一に、「その他営利業務」は大幅な赤字となった。その内訳をみると、第三国間の貿易に係る手数料等を計上する「仲介貿易・その他貿易関連」の黒字が縮小する一方、法務・経理関連サービス、広告・市場調査等に係るサービスを計上する「その他業務・専門技術サービス」の赤字が拡大している。前者は世界景気の減速等に伴う仲介貿易等の減少による影響と考えられる。後者は日本企業による海外企業のM&Aの増加を含めて対外直接投資が堅調に推移していること(図3)の影響(注)などが考えられる。
      第二に、「保険」の赤字幅が拡大した(前掲図2)。タイの洪水被害に伴い、日本の保険会社が保険金を支払ったためと考えられる。
      他方、「特許等使用料」の黒字幅は2009年以降、足元まで拡大基調で推移している。その内訳をみると、特許権、商標権等に関する権利の使用料を計上する「工業権・鉱業権使用料」の受取が増加している。これは、日本企業の海外生産比率の高まりによる海外子会社からの受取増加が背景にあると考えられる(図4)。

  3. このように、サービス収支は赤字幅が拡大しているが、内訳を分析すると、世界景気の減速等に伴う仲介貿易等の減少、タイの洪水被害に伴う一時的要因のほか、海外M&A等を背景とした「その他業務・専門技術サービス」の支払増加、海外現地生産比率の高まりによる「工業権・鉱業権使用料」の受取増加といった所得収支の黒字寄与につながる企業の海外事業展開の影響もみられる。

(注)企業が対外直接投資を行う際に、海外子会社の調査費等の経常的経費を国内企業が負担するケースがある。


図1:サービス収支の内訳 図2:「その他サービス」の収支尻の内訳 図3:「その他業務・専門技術サービス」の支払と日本企業による海外企業のM&A、対外直接投資の推移 図4:「工業権・鉱業権使用料」の受取と海外現地生産比率の推移

(備考)

  1. 日本銀行・財務省『国際収支統計』により作成。図3の「日本企業による海外企業の買収金額」は、レコフデータ『レコフM&Aデータベース』により作成。図4の「海外現地生産比率」は、内閣府『企業行動に関するアンケート調査』により作成。「海外現地生産比率」は年度。2012年度は実績見込み、それ以外の年度は翌年度調査における前年度の実績。
問合せ先
参事官(経済財政分析-総括担当)付
佐藤 亮洋 直通:03-3581-9527

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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