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今週の指標 No.1060 アメリカ:最近の物価動向

ポイント

2013年3月4日

  1. FRBが物価の尺度として使用しているPCE(個人消費支出)デフレーター(総合指数)の前年同月比の値をみると、12年半ば以降上昇していたが、10月以降は伸び幅を縮小させている(図1)。為替レートや原油価格など物価に影響を及ぼすいくつかの項目を取り上げ、インフレ率低下の要因を探ることとする。
  2. 為替レートは、輸入物価を通じてPCEデフレーターに影響を及ぼすと考えられる。昨年10月以降、ドルの名目実効為替レートはおおむね横ばいで推移している(図2)。ただし、2月以降はややドル高傾向にある。
  3. 次に、PCE全体の約6%を占めるエネルギー関連の価格については、原油価格の影響を受けやすいと考えられる。WTI原油先物価格は昨年10月以降下落しており、こうした動きがPCEデフレーター全体の動きを規定している。今年に入ってから上昇傾向にあったが、2月以降はやや下落している(図3)。
  4. 最後に、PCE全体の約18%と大きな割合を占める住居費、公共料金(除く電気・ガス)をみてみよう(注1)。住居費、公共料金(除く電気・ガス)価格については、このうちの6割超を占める帰属家賃価格に連動している(図4)。帰属家賃価格の算出に使用される賃貸住宅市場の過熱により、帰属家賃価格の前年同月比の値は10年10月にプラスに転じた後、伸び幅を拡大させたが、12年以降は伸びが鈍化し最近では横ばいとなっている。
  5. 物価に影響を及ぼす為替、WTI原油先物価格、帰属家賃価格について、今後、ドル高が継続し、原油価格が下落、帰属家賃価格が横ばいといった、足下の傾向が続くようであれば、PCEデフレーターの前年比の値はさらに低下する可能性がある。昨年12月、FRBは緩和的な金融政策を継続する期間ついて雇用と物価の数値目標を導入、物価については「1年から2年先のインフレ率が2%+0.5%以内」としているが、実際の物価の動きが数値目標を大きく下回るようであれば、FRBに対し追加金融緩和期待が高まりやすくなるといえる。

(注)PCE全体に占める割合では、ヘルスケア・サービスは住居費、公共料金(除く電気・ガス)よりも大きいが、最近の寄与度に大きな変化がなかったためここでは触れていない。


図1 PCEデフレーターの推移と項目別の寄与度 図2 PCEデフレーターとドル名目実効レートの推移 図3 PCEデフレーター(前年同月比)とWTI原油先物価格の推移 図4 PCEデフレーターと住居費、公共料金価格の推移(前年同月比)
問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-海外担当)付
髙安 亮子 直通:03-3581-9536

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