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今週の指標 No.1057 南欧諸国等向け与信の動向

ポイント

2013年1月28日

  1. 1月21日に公表された国際決済銀行(BIS)の2012年7~9月期のデータによると、南欧諸国等向け与信残高は同四半期に前期比▲2.2%(4~6月期同▲7.6%)と、減少幅は縮小したものの2四半期連続で減少し、08年初のピークの半分以下に落ち込んだ(図1)。11年半ば以降、公的部門や金融機関、民間非金融企業のいずれに対する与信も圧縮されている(図2)。

  2. こうした中で南欧諸国等の金融機関の資金調達環境は依然厳しく、ユーロシステム(注1)の資金供給オペへの依存度は高い(図3)。企業に関しては、銀行から資金を借入れる際の条件が厳しいままで(図4)、申請した借入額を受け取れない企業も多い。これらの結果、設備投資が先送りされるなど、実体経済回復の足かせとなっていると考えられる。

  3. 昨年7月以降、欧州中央銀行(ECB)総裁の発言や新たな国債買取策の発表(注2)を受けて金融市場のマインド改善が続き、銀行同盟への取組みの進展等を背景に欧州政府債務危機に対する楽観的な見方もなされるようになった。しかし、金融機関や企業を取り巻く環境は厳しいほか、南欧諸国等の財政再建やユーロ圏の統合深化への取組みの遅れによってマインドが再び悪化するリスクが残存しており、先行きを慎重にみる必要がある。

図1 南欧諸国等向け与信 図2 南欧諸国等向け与信の貸出先別内訳 図3 ユーロシステムからの資金供給残高 図4 銀行の企業向け貸出条件

(注)

  1. ECBとユーロ参加国の中央銀行の総称。
  2. 12年7月にECB総裁は「ユーロを守るためなら何でもする」と発言、9月に新たな国債買取策の詳細を発表した。
問合せ先
参事官(経済財政分析-海外担当)付
松本 惇 直通:03-3581-0056

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