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今週の指標 No.1051 2001年以降のULCの変化要因

ポイント

2012年11月26日

  1. 2000年代の物価下落の背景として、1単位の付加価値生産にかかる人件費である単位労働コスト(以下、「ULC」)について考察する。
     2001年時点と比較したときの2010年のULC下落の要因を製造業と非製造業で比べると、製造業では労働生産性の上昇がULC低下の主要因であるのに対し、非製造業では単位賃金の低下が主要因である。労働生産性を分解すると、製造業では実質付加価値が増加する中、雇用者数と労働時間の積(以下「マンアワー」)が減少したが、非製造業では実質付加価値の増加以上にマンアワーが増加した(図1)。

  2. 非製造業についてULCを見ると、「不動産業」と「運輸・通信・サービス業」では労働生産性が上昇しているものの、そのほかの業種では労働生産性は低下している(図2)。さらに労働生産性について、マンアワーと実質付加価値に分解して見ると、労働生産性が上昇した「不動産業」と「運輸・通信・サービス業」では実質付加価値が上昇し、マンアワーの上昇を上回っている。一方、「卸売・小売業」と「金融・保険業」では実質付加価値が減少しているにもかかわらずマンアワーが上昇しており、労働投入量の調整が十分にできていなかった。「建設業」では、マンアワーは低下したが、実質付加価値の減少ほどではなかった(図3)。

  3. 以上のように、実質付加価値が減少した業種では、それ以上に労働投入量を調整することが難しかったことが分かる。このため、付加価値が減少している業種では、企業がULCをできるだけ引き下げようとして単位賃金の低下がもたらされたといえよう。

図1 2001年と比較した2010年時点のULCと労働生産性 図2 2010年時点における非製造業のULCの寄与度 業種別比較 図3 2010年時点における非製造業の労働生産性の寄与度 業種別比較

(備考)

  1. ULC=名目雇用者報酬 / 実質GDP)
         =(名目雇用者報酬 / マンアワー)÷(実質GDP / マンアワー)
         =単位賃金 / 労働生産性
  2. 内閣府「国民経済計算」より作成。
  3. 変化率および寄与度は、対数値により近似的に算出した。
備考3
問合せ先
参事官(経済財政分析-総括担当)付
木下 怜子 直通:03-3581-9516

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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