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今週の指標 No.1050 ユーロ圏:若年労働力人口の減少の要因

ポイント

2012年11月19日

  1. ユーロ圏の失業率は2011年半ば以降急上昇しており、2012年10月も11.6%と過去最悪を更新した。特に若年層(25歳未満)の失業率は23.3%と非常に高くなっている。厳しい雇用情勢が続くと、就業を諦め、非労働力化するものが出ると懸念される。

  2. ユーロ圏の労働力人口は、15~44歳の年齢層で世界金融危機後に大きく減少している(図1)。こうした労働力人口の危機前後の変化について、人口変化要因と労働力率変化要因に分けてみると、15~44歳の年齢層では人口変化要因が大きくマイナスに寄与しており、労働力率変化要因は15~24歳の層以外ではむしろプラスに働いている(図2)。したがって、求職意欲喪失労働者が増加したとはいえない。

  3. そこで、ユーロ圏の若年(15~44歳)人口の平均増加率を危機前後で比較してみると、自国籍の人口の増加率はあまり変化していない一方、危機前まで労働力人口増加の下支えとなっていた外国人労働者の流入が大幅に減少している(図3)。このように外国人労働者の流入が減少したことが、若年層の人口減少、ひいては労働力人口の減少に拍車をかけている。なお、アイルランド、スペイン、ポルトガルでは危機前は外国籍人口の増加率が特に大きかったが、危機後は大幅なマイナスとなっており、極めて厳しい状況となっている。

  4. ユーロ圏各国では少子高齢化が進展しつつあることから、外国人労働者は経済成長にとって重要な存在である。労働力人口の減少によって経済が活力を失い、景気低迷がさらに長期化するような事態を避けるためには、今後、外国人労働者の定着化にも取り組んでいく必要があるだろう。


図1 労働力人口の増加率 図2 労働人口の変化の要因 図3 若年人口の増加率

(備考)
  1. データはユーロスタットより入手
  2. 危機前は06~08年、危機後は09~12年

問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-海外担当)付
藤間 世津子 直通:03-3581-0056

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