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今週の指標 No.1047 中国における消費刺激策の効果

ポイント

2012年10月29日

  1. 中国では2010年第4四半期以降、7期連続でGDP成長率前年比が低下するなど、景気減速の動きが広がっている。08年の世界金融危機の発生時には、外需が落ち込みを見せる中で成長エンジンとして国内投資や消費の拡大が一層期待されるようになった。そうした背景の下、同年には4兆元の景気対策が行われた他、09年以降は車や家電を対象としていくつかの消費刺激策が打たれるようになった。本稿では特に、08年の金融危機を契機として開始された消費刺激策による効果を中心に、多くの政策が終了した10年末を経て、再び景気加速が求められている足元に至るまでの家電の消費動向を概観する(注1)。
  2. 中国では、08年の世界金融危機を受け、同年第4四半期から消費(名目)の伸びの鈍化がみられるようになる。特に家電の前年比の伸び率は同四半期にはほぼゼロまで落ち込んだ(図1)。
  3. 09年以降に家電等を対象とした消費刺激策が開始されると、同品目の伸び率は飛躍的に高まり、特にいくつかの消費刺激策が重なった09年の後半から11年の末にかけては前年比30%の伸び率に達し、驚異的な回復を見せた。(図1)。また、家電販売の伸び率と可処分所得(都市部)の伸び率と比較しても、同時期の家電販売の増加のすう勢は著しく上昇しており、刺激策が家電消費のインセンティブを高めていたことがうかがわれる(図2)。
  4. 特に、以旧換新(注2)の対象製品の販売額は11年度で3000億元に達しており、この政策によって家電の伸びが押し上げられていたことがうかがわれる(図3)。 以旧換新が終了した12年以降、家電の伸び率は一時的に一桁台まで落ちたが、12年の第2四半期以降は、省エネ製品恵民プロジェクト(注3)の範囲拡大の影響などから再び伸びが高まっており、消費全体の伸びも若干上向きつつある。こうした動きが今後どの程度中国経済の再加速につながるのか注目される。
(注1) 本稿における「家電」は一定規模以上企業の小売売上高の内訳であり、うち家電のシェアは6.9%である。
(注2) 自動車、家電の買い替え促進政策。買い替え時に補助金が支給される。
(注3) 省エネ製品を対象とした消費刺激策であり、購入額から補助金分が差し引かれる。本年6月よりエアコン、冷蔵庫などのうち基準を満たす省エネ家電が対象となった他(実施期間12年6月1日~13年5月31日、補助金支給額265億元)、9月にパソコン、エアコンなど、6製品が新たに対象となった。

図1 消費全体(名目)と家電の伸び 図2 都市可処分所得と家電販売の伸び 図3 以旧換新と家電下郷の販売額の推移

問合せ先

担当:参事官(経済財政分析ー海外担当)付
宮城 佑輔 直通:03-3581-9537

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