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今週の指標 No.1046 最近の消費者物価の動向

ポイント

2012年10月22日

  1. 消費者物価指数(以下、CPI)の緩やかな下落傾向が続くなど、日本経済は緩やかなデフレ状況にある。CPIの基調を見るには、生鮮食品などの短期変動や、診療代などの制度要因を除いた指標を参照することが有用である。そこで、「生鮮食品、石油製品及びその他特殊要因を除く総合」(いわゆるコアコア)(備考1)を見ると、2010年以降は、前年比の下落幅は縮小傾向で推移してきたが、ここ数カ月については、概ね横ばいとなっている(図1(1))。その要因として、耐久消費財以外の下落寄与が拡大していることが指摘できる。
  2. 一方、最近の動きを前月比で見ると、月々の振れが大きく下落テンポの変化が判然としない。そこで、基調的な動きを抽出するため、季節変動と不規則変動を除いた「趨勢循環変動」(Trend Cycle、以下、TC成分)に着目しよう。コアコアのTC成分(備考2)の前月比を見ると、「地デジ化」特需の反動によって2011年末に耐久消費財の下落寄与が拡大した後、2012年に入り、その押下げ効果が剥落して下落テンポは鈍化した(図1(2))。しかし、足下では、やはり耐久消費財以外の下落寄与が拡大しており、その結果、コアコア全体では前月比でわずかな下落となっていることがわかる。
  3. 耐久消費財以外の下落寄与拡大の背景を探るために、コアコア前年比の押上げ・押下げに寄与する品目の割合を見てみる(図2)。これによると、「生鮮食品を除く食料」と「他の工業製品」で、2011年末頃から押下げに寄与する品目の割合が上昇している。このことから、調理食品や家事雑貨などの日用品において、下落品目が増加してきていることうかがえる。
  4. このようなミクロレベルでの下落の原因を特定することは難しいが、一つの可能性としては、割安なプライベート・ブランドを充実させるなど、最近の小売業界の販売戦略の影響も考えられる。こうした状況に加え、景気がこのところ弱めの動きとなっていることなどを踏まえると、今後の物価の動向については慎重に見極めていく必要がある。

図1 コアコアの推移 図2 コアコアの前年比押上げ・押下げに寄与する品目の割合

(備考)

  1. 「生鮮食品、石油製品及びその他特殊要因を除く総合」は、「生鮮食品を除く総合」から、石油製品、電気代、都市ガス代、米類、切り花、鶏卵、固定電話通信料、診療代、介護料、たばこ、公立高校授業料、私立高校授業料を除いたもの。
  2. 2012年1月のエアコンの銘柄改正、同年2月のテレビの銘柄改正の技術的要因により指数の水準が上方にシフトしており、ここではこれらの影響を除いている。

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担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付
 市橋 寛久 直通:03-3581-9516

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