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今週の指標 No.1045 尖閣諸島をめぐる状況の影響による中国自動車販売、小売販売への影響

ポイント

2012年10月15日

  1. 9月中旬以降、尖閣諸島問題に端を発した中国本土各地での反日デモ、暴動により、現地日系企業は大きな被害を受けた。その後デモ等は収束し、多くの企業で生産活動、営業は再開されているものの、その余波が懸念されている。本稿では、こうした中、他の経済指標に先駆けて公表された9月の自動車販売統計を中心に、その影響がどの程度表れているかを概観する。
  2. 9月の中国の乗用車販売(注1)は全体で前年比▲0.3%、うち国別の主要メーカーで比較が可能なセダン販売(注2)も前年比▲0.2%となった(図1、2)。この背景として、尖閣諸島をめぐるデモ等の影響により日系メーカーの販売が大きく低下したことが挙げられるが、ドイツ、アメリカや中国系の主要メーカー等の伸びも低下している点に注意が必要である(図2)。
  3. 尖閣諸島問題の自動車販売への影響を考えてみると、日系メーカーの前年同月比伸び率は、8月から9月にかけて約40%ポイント低下した。セダン販売における日系メーカーのシェアは約2割であるので、8%程度自動車販売を押し下げたと考えられる。ただし、本問題の影響が少ないとみられる(注3)ドイツ車等でも8月から9月にかけて伸びが10%ポイント程度低下していることを考慮すると、尖閣問題がない場合でも、最近の景気拡大テンポの鈍化を背景に自動車販売が低調となっていた可能性がある。
  4. 次にこうした自動車販売の減少による社会消費品小売販売への影響を考えると、小売販売に占める自動車のウェイトは約1割であり、尖閣問題による自動車販売は6%低下したことから、社会消費品小売販売額は1%程度押し下げられることが予想される。
  5. 以上、尖閣諸島問題による乗用車販売や小売販売の影響をみてきたが、こうした影響がいつまで続くのか、仮に続いた場合、ドイツやアメリカ等の主力メーカーにどの程度代替されるかを見通すことは現時点で難しい状況にある。このため、今後も尖閣諸島をめぐる状況の影響等を引き続き注視していく必要がある。
(注1)中国の乗用車販売は、出荷ベースの統計。
(注2)乗用車販売のうち、セダンの占める割合は 約7割(11年)。
(注3)ドイツ車等については、日本車からの需要シフトが考えられる一方、デモ等の社会的混乱による自動車需要全体の一時的停滞の影響も考えられる。

図1 社会消費品小売総額と乗用車販売 図2 乗用車販売(うちセダン(主要メーカー))

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担当:参事官(経済財政分析ー海外担当)付
樋田 貴博 直通:03-3581-9537

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