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今週の指標 No.1040 2012年4-6月期GDP1次速報後のGDPギャップは前期から縮小

ポイント

2012年8月22日

  1. 2012年4-6月期GDP1次速報値から試算したGDPギャップは、▲1.8%程度の需要不足となったが、前期(▲2.0%)から縮小した(図1)(注)。2012年4-6月期のGDPデフレーターは、前年同期比▲1.1%と11四半期連続のマイナスとなったが、前期(▲1.3%)から下落幅が縮小した。この背景としてGDPギャップの縮小があるとみられる。

  2. 次に、GDPギャップの変動を実際のGDPと潜在GDPに分けてみてみよう(図2)。実際のGDPは、リーマンショック後の回復過程にあったが、東日本大震災の発生により再び落ち込んだ。しかしその後は、復興需要等もあって上昇し、徐々に潜在GDPに近づきつつある。潜在GDPは、東日本大震災による供給ショックから一時的に低下したものの、1年程度で回復し、趨勢的に緩やかな上昇を続けている。

  3. 続いて、潜在GDPについてより詳しくみていくため、潜在成長率の寄与度分解をしてみよう(図3)。潜在成長率は、1980年代には前年比5%近くに達していたが、これは資本投入・労働投入・TFPすべてが大きくプラスに寄与していたためである。しかし、その後の潜在成長率は低下を続け、99年に同0.7%まで落ちこんだ。TFP成長率が急低下し、また、週休二日制の導入と高齢化の進展により労働投入量の伸びが減少に転じたことが要因である。2000年代前半には、潜在成長率は緩やかに上昇したが、これは、IT投資の拡大等がTFP成長率の上昇に寄与したためとみられる。その後、2000年代後半の落ち込みを経て、直近の2012年4-6月期には前期比0.6%と回復した。これは、TFPの寄与が拡大したためであるが、労働投入の寄与は依然マイナスとなっている。

  4. 最後に、全体を通した動きをみるため、年代ごとの寄与度の平均を計算してみる。80年代から2000年代の変化をみると、資本投入は1.8%から0.5%、労働投入は0.6%から▲0.3%、TFPは2.0%から0.6%となった。資本投入やTFPは、下げ幅は大きいものの、プラスを維持している。一方、労働投入はマイナスとなった。人口減少局面を迎えた我が国において、労働投入量の伸びを高めていくことは可能だろうか。その方法の一つとして、女性や高齢者の就業率を引き上げていくことがあげられる。先般閣議決定された「日本再生戦略」では、更に取得しやすく復職しやすい育児休業や短時間勤務制度等に向けた課題把握と対応、希望者全員の65歳までの雇用確保のための法制上の措置等様々な対策を打ち出している。こうした取組を着実に実行していくことで、潜在成長率が高まることを期待したい。

(注)GDPギャップ=(実際のGDP-潜在GDP)/潜在GDP。この推計にあたっては、潜在GDPを「経済の過去のトレンドからみて平均的な水準で生産要素を投入した時に実現可能なGDP」と定義している。GDPギャップの推計方法の詳細は、内閣府「日本経済2011~2012」付注1-6を参照。なお、GDPギャップの大きさについては、定義や前提となるデータ等の推計方法によって異なるため、相当の幅をもってみる必要がある。


図1 GDPギャップの推移 表 GDPギャップの推移 図2 潜在GDPと実際のGDPの推移 図3 潜在GDP成長率の寄与度分解
問合せ先
参事官(経済財政分析-総括担当)付
横山 瑠里子 直通:03-3581-9516

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