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今週の指標 No.1038 国際的なポートフォリオのリバランシングと日米株価の連動

ポイント

2012年7月9日

  1. 米国の株価と日本の株価は1990年代半ばまでは相関が見られなかったが、90年代半ば以降は概ね連動するようになった(図1)。しかし、リーマンショック後には、米国株価が上昇する中で、日本株の動きとの間にかい離がみられるようになった。 米国の株価の変動が日本の株価に波及する経路としては、次のようなポートフォリオのリバランシングが重要と考えられる。米国の株価が上昇した場合、国際的なポートフォリオの中で米国の株式の時価評価額が他国の株式に比べて増価する。そこで、ポートフォリオのバランスを回復するために日本の株式を買い増し、これが日本の株価上昇につながるというものである。以下、この経路について検討する。
  2. まず、上記の経路の後半部分、すなわち外国人投資家の売買動向が日本の株価変動に与える影響について見てみよう。国内上場株式市場における外国人投資家のプレゼンスを見ると、外国法人等の保有比率が90年代初までは低位であったものの、90年代初以降から上昇しており、2000年代は横ばいとなっている。一方、都銀・地銀等や事業法人といった国内保有主体の保有比率が趨勢的に低下している(図2)。 このような外国人投資家の保有比率の上昇に対応して、90年代初以降外国人投資家によるネット買越額と日本の株価の連動性も高まっており、リーマンショック後も高い相関が続いている。(図3)。
  3. 次に、経路の前半部分、すなわち米国の株価変動が外国人投資家の売買動向に与える影響を見る(図4)。2000年代までは米国の株価が上昇した場合であっても、日本の株式の買越額の増加は緩やかであったが、2000年代においてその連動性が強まり、それとともに日米株価の連動性も強まった。 ただし、リーマンショック後においては、米国の株価変動が外国人投資家の日本株のネット買越額の変動に与える影響が弱まっており、これがこの時期日米株価の連動性を弱くした一因と見られる。この背景としては、リーマンショックを受けて外国人投資家がリスクに敏感になっており、投資家のホームバイアスが高まっていることが考えられるが、その検証については今後の課題としたい。

図1 TOPIXとS&P500の推移 図2 外国人投資家の保有動向 図3 外国人投資家のネット買越額と日本の株価の推移 図4 米国の株価変動と外国人投資家の買越額

(注)

  1. 東京証券取引所「株式分布状況調査」、Bloombergにより作成。期間は1983年1月~2012年6月で、売買状況は東証・大証・名証の一部・二部・新興市場の合計。
  2. 図4については、アメリカの景気循環に対応する期間の、S&P500の変動に対する外国人投資家の日本株のネット買越額の反応を示したもの。
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