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今週の指標 No.1034 景気ウォッチャー調査にみられた今夏の電力不足への懸念

ポイント

2012年6月11日

  1. 昨年の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故に端を発した電力問題について、今夏も多くの地域で電力不足が懸念されている。そこで、今回「景気ウォッチャー調査」を利用し、2~3か月先の景気の先行きに対する判断(先行き判断)について回答されたものの中から、電力不足等に関するコメントについて集計を行った。
  2. 先行き判断における『電力不足』または『節電』に関するコメント(以下、電力関連コメント)数は2012年2月調査では全体で8とわずかであったものの、直近の5月調査では122と約15倍にまで達し、夏が近づくにつれ、電力不足や節電が先行きの景気に影響を与える要因とするコメントが増加した(図表1)。また、電力関連コメントについてのみを対象にして作成したDIの推移をみると、5月調査では前月比で5.3ポイント低下の41.2と低位にあり、このことから電力不足や節電が景気の下振れ要因と捉えられていることがわかる。ただし、電力関連コメントの判断別の推移をみると、「やや悪くなる」や「悪くなる」が増加傾向にある一方で、節電関連商材への期待感などから「やや良くなる」の判断についても増加傾向にあることは注目すべき点である(図表2)。
  3. 5月調査で地域別の総コメント数に対する電力関連コメント数の割合をみると、今夏の電力需給見通しが特に厳しい見込みとなっている近畿地域において、20.6%と高い割合となっており、景気ウォッチャーの5人に1人が今夏の電力不足や節電が先行きの景気に影響を与える要因であると回答している(図表3)。その他の地域でも、電力需給がマイナスかわずかにプラスである北海道、九州、四国のほか、電力会社より電気料金の値上げが申請されている南関東でも電力関連コメントは比較的高い割合となっている。
  4. 部門別にコメントをみても、家計動向関連で「節電で店内の気温も上がるため、滞留時間減少が避けられず、今以上の売上増は望めそうにない(南関東=コンビニ)」、企業動向関連では「電力不足の報道から荷動きが悪くなってきている(近畿=金属製品製造業)」、雇用関連でも「夏の節電が製造業などの工場稼働率にどれ位影響を及ぼすか不透明で、人材派遣などの様子見が続く(九州=新聞社[求人広告])」といったように、それぞれの部門で電力問題の影響を懸念するコメントが示されている。その一方で「高省エネタイプのエアコン、冷蔵庫やLED照明の需要が更に高まる(中国=家電量販店)」など、節電関連商材へ期待するコメントも示されており、今後、電力問題が各地域の実体経済に与える影響について注視する必要があると考えられる。

図表1 『電力不足』または『節電』に関するコメント数及びDI(全国) 図表2 『電力不足』または『節電』に関するコメント数の推移(全国)
図表3 今夏の電力需給ギャップの見込みと『電力不足』または『節電』に関するコメント割合(地域別)

問合せ先

担当:参事官(経済財政分析-地域担当)付
一丸 堅司 直通:03-3581-1392

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