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今週の指標 No.1027 欧州政府債務危機が国際資金取引に与える影響

ポイント

2012年3月26日

  1. BIS統計への報告国銀行による国際与信残高(貸出と債券保有)は2011年6月から9月にかけて減少に転じた(図1)。報告国銀行全体の減少幅は7,218億ドル(前期比▲2.7%)、うちユーロ圏銀行による減少幅は6,886億ドル(前期比▲5.8%)となり、ユーロ圏銀行を中心とした信用収縮が発生している。報告国銀行全体の国際与信残高の変化を相手先国別に比較すると、欧州政府債務危機の発生などを背景としたリスク回避姿勢の高まりを映じて、GIIPS諸国(ギリシャ、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペイン)、フランス、新興国向け与信が大幅に減少した。一方、こうした資金の逃避先としてアメリカ、日本、ドイツ、スイス、英国向け与信は増加した。
  2. 新興国経済へのインパクトを測るため、新興国向け与信残高の変化の対GDP比を見てみよう(図2)。報告国銀行による与信の変化幅(横軸)を見ると、アジア・太平洋やラ米・カリブと比較して、欧州との地理的、歴史的な結びつきの深い東欧等向け与信の減少幅が大きい。また、ユーロ圏銀行の与信(縦軸)と比較すると、報告国銀行の変化幅(横軸)は、東欧等以外を含めほとんどの新興国において縦軸よりも大きく、英国、スイス等ユーロ圏以外の銀行も新興国向け与信を削減していることを示している。
  3. なお、新興国向け与信を残存期間別に比較すると、アジア・太平洋向け与信については、他の新興国(地域)に比べ、近年短期与信の割合が増加している(図3)。アジア・太平洋向け与信の減少幅は東欧等に比較して小さいが、短期与信は信用収縮時に流出する可能性が高く、借換えが困難になりやすいことから、引き続き注視していく必要がある。

図1 報告国銀行による直近2四半期の国際与信残高の変化 図2 直近2四半期の新興国向け与信残高の変化(GDP対比) 図3 報告国銀行による新興国向け与信に占める短期与信の割合

(備考)

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