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今週の指標 No.1015 韓国経済の現状

ポイント

2011年11月7日

  1. 韓国では2008年の世界金融危機発生後の09年以降、景気は基本的に回復基調で推移してきたものの、11年に入って変化が見られる。以下、韓国経済の現状について実質GDP、鉱工業生産からみるとともに、今後のリスクについて概観する。
  2. 10月27日、韓国銀行は11年7~9月期のGDPを公表した。実質経済成長率は前期比年率で3.0%と(注1)、4~6月期の同3.4%から0.4%ポイントのマイナスとなった。需要項目別寄与度の推移をみると、民間消費(1.8→1.2%)、固定資産投資のうち設備投資(1.6→▲0.2%)、建設投資(0.9→1.2%)、在庫品増加(1.3→▲1.3%)、輸出(2.6→4.3%)(注2)となった(図1)。
  3. 需要項目別にみると、ウォン安を受けて輸出は好調であった一方、民間消費が7月下旬の豪雨の影響による消費者心理の悪化等を受けて伸びが鈍化し、また、設備投資は半導体分野などでの機械設備投資が不振であったために前期比でマイナスに転じた。
  4. 供給面について鉱工業生産をみると、09年以降、11年3月までは増加基調であったが、4月以降はほぼ横ばいで推移している。そこで4月以降の生産動向をみると、3月の東日本大震災による自動車生産等への影響により、4月の季節調整済前月比は▲1.7%とマイナスの伸びとなった。その後、5月、6月は持ち直したものの、7月、8月には再びマイナスの伸び(▲0.4、▲1.9%)となっている。これは鉱工業生産のうち最もウェイトが高い半導体などを含む「電子部品等」の生産が、半導体に対する需要減及び価格下落などを背景に減少したことが主な理由と考えられる(図2、3)(注3)。
  5. 次に、7月以降の金融市場の動きをみると、ヨーロッパにおける債務問題を背景に、リスク回避のためにアジア各国の通貨、株式が売られ、大幅な自国通貨安、株安となっている。中でも韓国は、為替、株価ともに、中国、インドを除くアジア主要国となるシンガポール、タイ、マレーシアと比較してもその下落幅が大きい(図4、5)。
  6. 為替の急激な動きの影響をみるため、外貨準備高の推移を前月との増減でみると、韓国では、9月は約90億ドル減と10年5月以来の大幅な減少となっている。急激なウォン安を回避するためのドル売りウォン買いの為替介入が行われていたことがみてとれる(図6)。
  7. 為替、株価ともに、10月に入ってそれぞれ持ち直しの動きはあるものの、7月の水準を回復はしておらず、こうした急激な動きが続くことにより、今後実体経済に影響が出てくる恐れもあるため、引き続き為替、株式市場の動きについては注視していく必要がある。
(注1) 年率は、内閣府による試算値。
(注2)  ( )内は、全て4~6月期及び7~9月期の寄与度。
(注3)  「電子部品等」の寄与度は、6月含め3カ月連続で前月比マイナス(▲0.6、▲0.0、▲0.5%)。7月、8月の鉱
           工業生産において減少したその他の主な分野は、「機械設備」(7月:▲0.2%)、「自動車」(8月:▲0.8%)。

図1 実質経済成長率と需要項目別寄与度 図2 鉱工業生産(季節調整値) 図3 鉱工業生産(前月比寄与度) 図4 為替動向 図5 株価動向 図6 外貨準備高(前月差)
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樋田 貴博 直通:03-3581-9537

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