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今週の指標 No.1009 家計・企業ともに景況感の持ち直しのテンポが緩やかに

ポイント

2011年9月8日

  1. 3月の東日本大震災の発生以降、家計や企業の景況感は徐々に持ち直してきたが、ここに来てその動きが緩やかになっている。

  2. 景気ウォッチャーの景況感をみると、前月(7月調査)は現状判断DIが3.0ポイント上昇して52.6と、2006年4月(54.6)以来の高い水準にまで達していたが、前月の先行き判断DIは0.5ポイント下落して48.5ポイントとなっていた。そうした動きを裏付けるように、今月は、現状判断DIが大きく減少して47.3にまで低下した。特に、小売関連の現状判断DIは、前月の51.8から9.1ポイントも低下している(図1)。

  3. 家計動向関連では、震災直後の消費マインドの低下からほぼ戻りつつあるものの、今月は、1.7月24日の地上デジタル放送完全移行に伴うテレビ等の駆け込み需要の反動等が大きく、家電販売分野の売上が大きく減少したこと、2.8月中下旬以降の天候不順や気温低下で客足が鈍り、秋物商材の動きも弱かったこと、3.牛肉や農産物等食品の安全性に対して消費者の意識が高まり、一部に買い控えの動きもみられたこと、などが指摘され、景況感が弱まっている(表2)。

  4. 企業動向関連でも、特に製造業の現状判断DIが上述の小売関連のDIと同様の動きとなっている。
    すなわち、前月は製造業の現状判断DIが53.3にまで上昇した一方、先行き判断DIは50.7と小幅な上昇に止まっていた。しかし、今月は、現状判断DIが6.1ポイント落ち込んで47.2となった。また、震災以降は製造業の現状判断DIが非製造業のDIを上回りながら上昇してきたが、ここに来て、両者のDIが逆転している(図3)。

  5. 企業動向関連では、輸送機械分野を中心に製造業で生産が急速に回復しているものの、円高の急激な進行に対する企業の懸念が広くみられている。例えば、「輸出向け価格も円高でさらに採算が悪化」、「メーカーは円高等で利益なき繁忙に」、「価格競争力が失われ、受注に至らず」、「取引先からのコストダウン要請が始まった」、「現地生産や海外調達への切換えを懸念」といった声が聞こえている(表4)。

  6. なお、今月の雇用関連の現状判断DIは、前月より1.1ポイント低下したが、58.4と依然として高い値となっている。これは、製造業で生産活動が回復し、求人が増加していること等によるものだが、「円高の進行等を受けて採用に慎重な姿勢を崩していない」旨のコメントもみられており、今後注視していく必要がある。

図1 現状・先行き判断DIの推移 表2 家計動向関連のコメント 図3 製造業・非製造業の現状・先行き判断DIの推移 表4 企業動向関連のコメント

(備考)

  1. 内閣府「景気ウォッチャー調査」より作成。各月調査の調査期間は当該月の25日~月末。
問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-地域担当)付
今村 慎一朗 直通:03-3581-1392

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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