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今週の指標 No.1007 GDPデフレーターは7四半期連続でマイナス、GDPギャップは前期からほぼ横ばい

ポイント

2011年8月29日

  1. 2011年4-6月期のGDPデフレーターは、前年同期比▲2.2%と7四半期連続のマイナスとなり、前期(▲1.9%)から減少幅が拡大する結果となった。また、国内需要デフレーターについても、同▲0.9%と10四半期連続のマイナスとなった(図1)。

  2. GDPデフレーターを寄与度分解すると、4-6月期の押し下げ要因は、主に輸入デフレーターの上昇と民間消費デフレーターの下落である(図2)。

  3. 輸入デフレーターと民間消費デフレーターの変動要因をみるため、それぞれの基礎データとなる輸入物価指数、消費者物価指数の推移を寄与度分解してみよう。はじめに、輸入物価指数をみると、石油・石炭・天然ガスの価格上昇が押上げ要因となった(図3(1))。実際、原油価格の推移をみると、2009年Ⅰ期以降、上昇傾向で推移している(図3(2))。次に、消費者物価指数についてみると、石油製品はプラスに寄与したものの、教養娯楽関連の価格下落がそれを上回り、全体として前年比マイナスが続いている(図4(1))。最近の電化製品の動向をみると、テレビを中心として耐久財の激しい価格下落が起きており、これが教養娯楽関連の価格下落の主因と考えられる(図4(2))。

  4. 次に、今後の物価動向を考察するために先行指標であるGDPギャップ(注1)をみてみよう。4-6月期のGDP一次速報からGDPギャップを推計すると、前期からほぼ横ばい圏内となり、依然として大幅なマイナスが続く結果となった(図5)。

  5. GDPギャップの推計にあたって、2011年1-3月期より東日本大震災による供給制約等を考慮して潜在GDPを推計した。4-6月期においては、供給制約は徐々に緩和されたものの、製造業を中心に依然として制約の影響は残っていることから、前期に引き続き潜在稼働率を一時的に落とした値(注2)を用いて推計した。その他については通常通りの推計を行った。

  6. 今後のGDPギャップを見通すと、震災による潜在稼働率の低下は一時的なものと考えられるため、供給制約のさらなる緩和に伴って潜在GDPは震災前の水準に近付いていくと考えられる。そのため、震災により落ち込んだ需要の回復動向を注視する必要があると考えられる。なお、GDPギャップは前提となるデータや推計方法によって結果が大きく異なるため、数値については幅をもってみる必要がある。

    (注1)GDPギャップ=(現実のGDP-潜在GDP)/潜在GDP。推計方法の詳細は、内閣府「平成23年度年次経済財政報告」の付注1-1を参照。なお、GDPギャップの水準については、定義や前提となるデータ、推計方法によって異なるため、相当の幅をもってみる必要がある。

    (注2)製造業の潜在稼働率は3月を底にして、2011年Ⅳ期に震災前の水準に戻るような軌跡を歩むと仮定している。また、非製造業の潜在稼働率は、第三次産業活動指数の水準が震災前に戻っていることを踏まえ、本年Ⅰ期を除いて通常通りの推計(短観の生産・営業設備判断DIで回帰)を行い、潜在稼働率水準を求めた。

図1 GDPデフレーターの推移 図2 GDPデフレーターの推移と寄与度 図3 輸入物価の推移 図4 消費者物価の推移 図5 GDPギャップの推移
問合せ先
参事官(経済財政分析-総括担当)付
小寺 信也 直通:03-3581-9516

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