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今週の指標 No.1001 市況変動が食料品価格に与える影響

ポイント

2011年7月19日

  1. 食料品の国際価格の動向をみると、世界的な天候不順や新興国における需要増加等を背景に、FAOが公表している食料価格指数が年初に過去最高を更新するなど、上昇が鮮明となっている(図1)。2008年の資源価格高騰時には、食料品価格の上昇が我が国の消費者物価を大きく押し上げる要因となったことを踏まえると、市況変動を通じた食料品価格への影響は、物価動向を見る上で重要なポイントである。そこで、国際市況の変動により国内の食料品価格がどの程度影響を受けるかについて確認する。
  2. まず、日本の食料品価格の動向について確認してみよう(図2)。食料品の前年比の動きを見ると、資源価格が高騰した2008年における上昇が目立つ。内訳を寄与度で見ると、水畜産物類や穀類、菓子類・油脂類等の寄与が大きい。その後、2009年にリーマンショックに伴う市況低迷もあり反落したが、2010年以降は前年比で下落幅が縮小してきている。一方、アメリカとの比較で見ると、変動幅は日本の方が小さい。日本は食料の海外依存度が高いにも関わらず、市況変動の影響を受けにくい可能性がある。
  3. では、実際に市況変動は日本の食料品価格にどの程度影響するのであろうか。ここでは、食料品の小売価格が輸入食料品価格の変動にどの程度影響を受けているかを推計し、食料品の市況変動が我が国の食料品価格に与える影響を捉えてみよう。1980年以降のデータを用いて、消費者物価(生鮮食品・外食を除く食料)を被説明変数、輸入物価(食料品・飼料、円ベース)、需給判断DI(食料品製造業)等を説明変数として推計すると、輸入物価が1%上昇した時の消費者物価の上昇率は0.07%程度であった。輸入価格の影響がそれほど大きくないようにも思えるが、推計期間を分けると最近においてその影響が大きくなり、市況変動の影響を受けやすくなっていることが分かる。具体的には、推計係数に関する構造変化をF検定で検証すると、2000年前後に構造変化が生じた可能性があることから、1999年まで(前半)と2000年以降(後半)の2期間に分けて推計すると、前半には輸入物価は説明力を持たないが、後半になると、輸入物価が1%上昇すると消費者物価が0.1%程度上昇するという結果が得られた(表3)。国際的な貿易自由化の動きや輸入麦の政府売渡価格が2007年度から相場連動制に移行したことなどが背景として考えられる。日本の食料品価格は、過去に比べれば国際市況の影響を受けやすくなっていることから、今後の国際市況の動向について注視する必要がある。

FAO食料価格指数の推移
消費者物価(食料品)の日米比較
消費者物価(食料品)の推計

問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付
小林 あゆみ 直通:03-3581-9516

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