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今週の指標 No.994 生産活動と製造業の雇用者数、所定外労働時間の動向

ポイント

2011年5月30日

  1. 我が国においては雇用の流動化が進み、製造業を中心に雇用の調整が行われやすくなっていると言われている。実際、労働投入量の調整過程においてどのような変化がみられるのかを調べてみる。
  2. 一般に企業は生産活動の変動に応じて、所定外労働時間や雇用者数を変化させる。このことを確認するために、生産活動とそれぞれの指標について時差相関を取ってみる(図1)。2000年代以降の動きを前半、後半に分けてみてみると、所定外労働時間の変動は前半、後半とも生産の変動にほぼ一致する。これに対して雇用者数は前半においては1年程度のラグで生産と最も強い相関がみられ、後半においては1四半期程度のラグで最も強い相関がみられる。このことは2000年代後半においては、生産の変動が起こると所定外労働時間の変動とほぼ同時に雇用者数でも調整が行われている可能性を示唆している。
  3. そこで、生産活動の変動により、どの程度の時間差で雇用者数が影響を受けるかを確認する。製造業中分類別にパネルデータを作成し、2000年代前半と後半に分けて実証分析を行った(図2)。前半においては、生産変動のあった月はそれまでの生産状況に合わせた雇用状況が続いていることなどが影響し負の相関が見られ、1年先に最も正の相関が現れている。一方、後半においては生産変動があった月に最も強い影響があり、1年先では影響がみられない。
  4. これらから、2000年代前半、後半ともに生産変動に対してまず所定外労働時間で労働投入量の調整を行うというスタンスに変化はないものの、雇用者数の調整方法には差が生じていると考えられる。前半においては雇用者数による調整をしばらくは回避していたものの、後半においては短期間で調整を行っている。雇用の調整に時間のかかる正社員を相当数減少させていることや期間工の採用が増加していることなどを背景に、製造業の企業においては、雇用者数を短期間で調整するようになっている可能性が高いと言えよう。

図1生産活動と雇用関係指標の時差相関、図2生産活動と雇用者数の関係
問合せ先
担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付
藤木 雄太 直通:03-3581-9516

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