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今週の指標 No.993 GDPデフレーターは6四半期連続でマイナス、GDPギャップは依然大幅なマイナス

ポイント

2011年5月30日

  1. 2011年1-3月期のGDPデフレーターは、前年同期比▲1.9%と6四半期連続のマイナスとなり、前期からマイナス幅が拡大した。国内需要デフレーターについても、同▲1.0%と9四半期連続のマイナスとなった(図1)。

  2. GDPデフレーターを寄与度分解したところ、1-3月期において、国内需要デフレーターは前期から横ばいとなったものの、輸入デフレーターの上昇(=GDPデフレーターの押下げ要因)が、GDPデフレーターの前年比マイナス幅の拡大に寄与したことが分かる(図2)。同時期の輸入物価指数をみてみると、石油・石炭・天然ガスや金属が輸入デフレーターを押し上げている。月次推移をみても、2011年に入って資源価格の前年比プラス幅が拡大しているのが分かる(図3)。

  3. 国内需要デフレーターに影響を与えるGDPギャップ(注1)の推計にあたって、潜在GDPの考え方を整理しておく。ここでは、「経済の過去のトレンドから見て平均的な水準で生産要素を投入した時に実現可能なGDP」を潜在GDPと定義している。しかし1-3月期においては、東日本大震災による資本ストックの毀損(注2)に加え、電力供給力の減少やサプライチェーンの寸断等による供給制約が、我が国の潜在GDPを一時的に押し下げたと考えられるため、これらを加味した調整を行った。供給制約については、震災後の現実の稼働率の低下率を供給制約によるものとみなし、潜在稼働率を一時的に落とすことで調整している。

  4. この結果、1-3月期の潜在GDPは、前期と比べ実質年率換算▲6兆円程度(潜在GDP比1%程度)押し下げられたとの結果が得られた。このうち大部分は供給制約に伴う潜在稼働率の低下によるものであり、震災の影響が供給制約を通じて被災地以外にも広く及んだことが示唆される。

  5. 現実のGDPと潜在GDPの乖離を示すGDPギャップは、1-3月期は前期から横ばいとなっており、依然大幅なマイナスが続いている(図4)。これは震災による供給制約等に直面し、現実のGDPが潜在GDPと同程度減少したことによる。今後再び供給制約が強まったとしても、GDPギャップ自体に与える影響は限定的となる可能性がある。

    (注1)GDPギャップ=(現実のGDP-潜在GDP)/潜在GDP。推計方法の詳細は、内閣府「日本経済2010-2011」の付注1-1を参照。なお、GDPギャップの水準については、定義や前提となるデータ、推計方法によって異なるため、相当の幅をもってみる必要がある。

    (注2)資本ストックの毀損額については、内閣府「月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料(3月)」による内閣府推計値の中央値と仮定。

図1 GDPデフレーターの推移
図2 GDPデフレーターの推移と寄与度
図3 輸入物価指数の推移と寄与度
図4 GDPギャップの推移
問合せ先
参事官(経済財政分析-総括担当)付
北島 美雪 直通:03-3581-9516

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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