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今週の指標 No.980 英国の企業向け貸出の状況

ポイント

2011年1月31日

  1. 英国の企業向け貸出残高をみると、2008年9月の5,035億ポンド(名目GDP比35%)をピークに減少傾向が続いている(図1)。
  2. 貸出残高が減少する要因について、まず資金の供給側をみると、金融機関の企業向けの貸出態度のD.I.は、07年から08年にかけて大きく厳格化した後、09年に、緩和したと回答した金融機関数が厳格化したと回答した金融機関数を上回り、その後も緩和傾向が続いている(図2)。
  3. 次に資金の需要側をみると、企業側の資金需要に関するD.I.について、09年4~6月期に大きく改善し、このところおおむね0近傍となっているものの、改善は弱いものにとどまっている(図3)。目的別の資金需要をみると、M&Aや設備投資向けの資金需要が大きく落ち込んだことがわかる。その後も設備投資向けの資金需要は、減少したと回答した企業数が増加したと回答した企業数を上回る状態が続いた(図4)。
  4. 09年以降の民間企業(非金融)への総貸付と金融機関への返済額を比べると、同年4~6月期以降返済額が貸付額を上回っており、企業が債務の返済を優先させていることにより貸出残高が減少を続けていることがわかる(図5)。
  5. 英国は、08年9月の世界金融危機発生による景気後退により、実質GDP成長率は09年1~3月期までマイナス幅が拡大した。09年10~12月期にはプラスに転じ、10年7~9月期まで増加が続いており(※注)、景気は持ち直しているものの、失業率は依然として高い。先行きについては、基調としては緩やかに持ち直していくと見込まれるものの、高い失業率が継続すること等により、景気が低迷するリスクがある。
  6. こうした中、企業の資金需要が弱く、依然として債務の返済を優先させていることにより、貸出残高は前年比で減少が続いているとみられる。

    ※注
    なお、10年10~12月期は速報値では前期比で減少となったものの、英国統計局は、大雪といった悪天候の影響が大きく、この影響を除くと前期比横ばいとなったとしている。

図1  英国の企業(非金融)向け貸出残高
図2  企業向け資金供給態度
図3  企業の資金需要
図4  企業の目的別資金需要
図5  企業向け貸付額と返済額
問合せ先
担当:参事官(海外担当)付
當麻  江美  直通:03-3581-0056

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