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今週の指標 No.979 輸出数量指数の動向

ポイント

2011年1月11日

  1. 輸出数量指数(季節調整済み)(対世界)は、2010年半ばから減少に転じている(図1)。本稿では、その要因と今後の見通しについて検討する。

  2. 輸出数量指数の変化の地域別寄与度をみると、アジア向け輸出の減少が主な要因であることがわかる(図2)。また、アジアにおける地域別寄与度をみると、特にNIES向けのマイナス寄与が大きいことがわかる(図3)。そこで、以下ではNIES向け輸出に焦点を当てる。

  3. NIES向け輸出について、品目別の寄与度に分解すると、7月までは輸送用機械、8月以降は電気機械が主にマイナスに寄与していることがわかる(図4)(なお、直近2か月で一般機械が減少しているのは韓国向け半導体等製造装置の減少によるもの)。このうち、輸送用機械については、振れの大きい船舶の輸出数量の減少が影響しており、一時的な振れの可能性が高い。したがって、先行きを占うためには電気機械の動向が重要となる。

  4. NIES向けの約1/4を占める電気機械輸出の半分は半導体等電子部品であるが、NIES向け半導体等電子製品の輸出数量と台湾や韓国の電子部品の出荷在庫バランスには、強い相関が見られる(図5)。この要因として、日本からの輸出製品は、実装なしの半導体部品等、韓国や台湾の半導体製造の材料となる部品が主な製品であることが考えられる。これをみると、昨今NIES向け半導体等電子製品の輸出数量が減少しているのは、韓国や台湾の電子部品が昨年前半から在庫調整局面にあることが背景にあると考えられる。

  5. もっとも、過去からの推移をみると(前掲図5)、韓国や台湾の在庫出荷バランスは、概ね2年程度のサイクルで動いている。そのため、このまま通常のサイクルで在庫調整が一巡すれば、今年半ば頃にかけてNIES向け輸出数量指数も増加していく可能性が高いと考えられる。

  6. また、電子部品を組み込んだ製品の主要な最終需要地であるアメリカにおけるパソコン需要が増加してきていることも前向きな動きの一つと言えよう(図6)。さらに、半導体等電子部品を組み込んで電気機械を生産・輸出している中国のPMI等の指標でも明るい動きがみられてきていることも重要である(図7)。

  7. 今後は、アメリカなど先進国における電気機械の需要に底堅さが増し、中国の製造業が持ち直すことを背景に、日本からのNIES向けを含むアジア向け輸出が増加し、対世界全体でみても輸出数量指数は再び持ち直していくことが期待される。一方、円高による影響や中国の引き締めの影響等を含め、様々なリスク要因を抱えていることには注意が必要である。

図1.輸出数量指数(季節調整済)の推移
図2.輸出数量指数(季節調整済)の地域別寄与度
図3.アジア向け輸出数量指数(季節調整済)の地域別寄与度
図4.NIES向け輸出の品目別寄与度
図5.韓国・台湾の電子部品の出荷在庫バランスとNIES向け半導体等電子製品の輸出数量
図6.米国のパソコン販売
図7.中国の製造業購買担当者指数(生産)の推移
問合せ先
担当:参事官(経済財政分析ー総括担当)付
國峯 孝祐 直通:03-3581-9527

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